(三)

文字数 275文字

 さらに翌週の土曜日、拓弥は車の中にいた。
「今さらデートですか」
 助手席に座る拓弥が、運転席の実奈美にそう尋ねた。
「いいから付合ってよ。私の久しぶりのお出かけなんだから」
 意外と安全な運転をすることに、実奈美が年上のお姉さんなのだと拓弥は今さら気づかされた。
 特に目的地も教えてもらえずに、車は圏央道を快走していった。その後、久喜白岡IC(インターチェンジ)から東北道に入り、ひたすら北上していった。
 さらに車は栃木ICで東北道を降りると、今度は下道を走って行った。栃木バイパスから横道に入ったところにある住宅街に入っていき、そのうちの一軒の家の前で車を停めた。

(続く)
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