第23話

文字数 514文字

「つまり!脱獄ってこと!?」
「そんな事をするのかい!?」
だ!つ!ご!く!?めっちゃ面白そうなんだけど。昔の泥棒魂に火が付きそう!
「店長、申し訳ないんですけど席を外してくれますか?」
「え?」
「くるみと二人きりで話したいんだ。」
え?私と二人きりで?もしかしてそれって……。
「愛の告白?」
「おい!ふざけるな!」
ふざけるなって何よ!私に告ることがふざける事になるなんて、ちょっと失礼じゃない!?店長がいなくなると、浩平さんは切り出した。
「裁判で無実が証明されれば、二人は助けられる。」
「じゃあ無実を証明しなくちゃ!」
「その為には決定的な証拠が必要だ。」
「集めよう!」
問題点にどんどん食らいつくと、浩平さんはちょっと笑った。
「証拠の場所は分かってるんだ。取ってこい。」
「え?」
「くるみ、この頃使ってなかった能力あるだろう?」
私がこの頃使ってなかった能力?それって……
「盗み?」
「そうだ。盗んでこい。」
浩平さんは私の連絡先を聞くと、すぐに地図を送ってきた。後警備の細かい情報も。ここまで調べ上げられていれば、忍び込むのは簡単。
「ここまでやらなくてもいいのに。」
「俺も元泥棒だって言ったろ?」
浩平さんはにやりと笑った。
「情報戦は得意なんだ。」
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登場人物紹介

花森くるみ

両親がいない女子高生。

安上彩子

カフェ『エスポワール』を経営している。くるみを引き取る。

山影浩平

カフェの常連さん。くるみを助けた人。

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