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文字数 821文字

 船長は両膝を付くと項垂れてしまった。
警備主任が起爆スイッチを取り上げ、俺に渡した。俺はそれをポケットにしまうと。
カレンさんが、

「秘密組織の方だったんですね。助かりました」

と言ったので。

「でまかせです」

と答えた。そして、

「俺達は、人の下で仕事をするのが嫌なもので。こんな仕事をしているだけです。
組織なんか、属する訳が無い」

と言うと、船長は拘束されながら。

「あははは、いかれた奴め!」

と罵った。その声を聞いたと同時に俺は、

「しまった!テロリストがヘリで来る!」

と思い出して言うと。山村が、

「今、無線連絡した。この船に近寄るヘリは、全て撃ち落とすように言ったよ」

と返事が来た。
俺は、ふーっと溜め息をついた。
 そして船は停船して、爆弾処理班作業船を、横付けすると、爆弾を降ろして解体した。
爆弾は最初の1発だけで、他は粘土だったそうだ。計算すれば分かるのだが。
100キロのプラスチック爆弾ならば、船の下半分が無くなる威力だ、逃げる暇もない。
つまり解除しようとする者が、船倉ごと吹っ飛ぶ程度でしかなかったのだ。

 テロリストのヘリコプターは現れたが。
アメリカの軍隊に追われて逃げたそうだ。
 俺達はヘリにも作業船にも乗らず。
そのまま豪華客船で、次の停泊予定の港まで、乗せてもらった。
 当然、豪華食事つき、美人のカレンさん付きでだ。3人でディナーを食べていると、カレンさんが、

「まったく面白い方達。また、お会い出来ると良いですね。そうだ家に遊びに来て下さい。
日本にいる時に」

と言ってくれた。俺はニコニコ笑うと、

「是非に」

と返事をした。
 すると山村が、

「お前さぁ〜、ハッタリかます時は考えてから言えよな。びっくりしたよ、組織名を聞かされた時。何だ?マクレガー財団って。
マクガイバーと言わなかっただけ、許すがな」

「あはは、この間見た、テレビドラマでやってたんでな。思い付きよ」

「まったく・・・」

 さて、本当のところ、俺達は・・・。
 ナイナイナイ、かな?


 終わり。
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