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文字数 701文字

「よぉ〜、山村。船が見えてきたぞ。
何で止まっていないんだ。ヘリコプターって、動いている船に降りれるのか?ヘリポートは、有りそうだが」

と俺が言うと。

「お前、聞いてないのか?何でも、10ノット以下にスピードを落とすと爆発するらしいぜ」

「ほぅ、中々トリッキーな奴だな。で、犯人の要求は?」

「それは船長が教えるとさ。関係者も乗っているらしい」

「関係者って?」

「船を持っている運営会社の者さ」

「ほぅ、なんだか面白そうな展開だな。
客は何人乗っている?」

「150人。次の港で、後200人乗る筈だったそうだ。皆、金持ちの年寄りばかりさ。
まあ、若いのも少しは居るだろうがな」

「ふーん、あやかりたいねぇ。まさか、こんな形で豪華客船に乗る事になるとはねぇ。
美味いものあるかな?いきなりの呼び出しで、朝飯も食ってねぇ。昨日飲み過ぎで昼まで寝てたんでな」

「おい!大丈夫か?まあ、あっちでサンドイッチでも貰えば良いよ」

「ああ。パイロット!サンドイッチを二人前。コーヒー付けて用意してくれと、無線入れといて」

 ヘリのパイロットは、振り向きもせず。

「分かったよ」

と溜め息交じりで言った。
 ヘリのパイロットが、着船は面倒だと俺達をロープで下ろした。荷物はプールに投げ込みやがって。水を抜いてから、荷物を解かなければならなくなった。
 俺達は兎に角、迎えに来た船長と共に、操縦ルームへと案内された。
一応、お客には緊急事態なので、ヘリで下船してもらうかも知れませんと、伝えてあるので。
俺達の登場を拍手で喜んで迎えてくれた。
 暇な金持ちには、良いアトラクションだった様だ。まったく・・・。
同じ地球人かね。金持ちに生まれたかったよ、と心底思った。
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