王座と言う名の男 

文字数 600文字

 俺がチャンピオン♪ 

 俺の名は豹文王座(ひょうぶんおうざ)。
おかしな苗字と名前だが致し方無い。
先祖がそう言う名なのだから。
そして、名前は親父が付けたものだ。
如何ともし難い。
 そんな俺は、爆弾処理の仕事をしている。
昔は軍やら警察やらに所属していたが。
今はフリーランスの爆弾処理の専門家だ。
人呼んで、チャンピオン。尤も、俺の学生時代からの、あだ名なのだが・・・。

 今、俺は軍のヘリコプターで豪華客船、 丸々丸(まるまるまる)へと向っている。
 俺の前世代の人達のネーミングセンスは、
いかれている様だ。
だから、いかれた奴も多いのだろう。
 俺達フリーランスの者は軍や警察ではお手上げの爆弾事件には、良くお呼びがかかる。
 今日も相棒の警察爆弾処理班の非常勤講師の山村と一緒に、現場へと向っていると言う寸法だ。

 何も動いている船に、爆弾を仕掛けなくてもいいものを。しかもまだ、物は見付かっていないという。何で呼ばれたのか?
どうやら、運営会社が大手で、緊急で1番腕の良い者をと俺達に、お呼びがかかったようだ。
 警察も俺が失敗して死んでも、警察の威信には関わらないと言うところか。
まったく最近の連中は、汚い仕事や危ない仕事を嫌がる。まあ俺も嫌なんだが。
そうも言ってられない、人の命が関わっているのだからな・・・。
ガセであって欲しいものだと思っていた。
相棒はヘリコプターが嫌いなのか、いつもより無口で青い顔をしていた。
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