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文字数 793文字

 船倉に入ると大量のダンボール箱があった。1つ1つ調べるのは骨だった。そこで俺は、

「チョコレートの箱は、どれかな?」

と聞くと。サービススタッフが、奥のやつですと連れて行った。説明によると、それは沢山の小分けした、ラッピングされたチョコレートの入った箱だそうだ。
それがダンボールで山積みになっていた。
中身は100や200は有りそうだった。
いや1000個かな?と思った。
 俺は1番手前の箱に、ナイフでバリバリと、切れ目を入れた。バラバラとチョコレートが
落ちてきた。

「何をするんですか?売り物にならない!」

とスタッフが言うので。

「爆弾かなと思ったのさ。そんなに簡単ではなかったな」
 
と答えると。

「それこそ、本物の爆弾だったなら、爆発してるでしょ!」

と言うので。

「起爆装置が働かないと、中々爆発しないものさ。爆弾はな」

とチョコ入りの箱を1つ拾って。中身のチョコをつまむと一口食べてみた。甘いが美味かった。あっ!サンドイッチを忘れていた・・・。
 するとそこへ、女の人が入ってきた。
男の召使みたいな人を連れていた。
どうやら、この船のスタッフの様だが。
 女はかなりのVIPみたいだった。
今時、毛皮を着ていたし。髪も綺麗にセットして、化粧もバッチリだった。
 尤もこの船は金持ちが乗るのだから、そんなものかとは思ったが。

「あの〜、関係者以外は、さっさと逃げて欲しいんだがな」

と言うと。

「関係者です」

と一言の返事。
 すると隣りにいた、スタッフリーダーが。

「オーナーです」

と小声で言った。

「申し遅れました。この船のオーナー、
運営会社の、富谷カレンと申します」

と手を差し出した。俺は握手した。
 細長い指、名前に似つかわしく金持ちで綺麗な人だった。年は最早、関係ないと言える、
美しさがあった。

「兎に角、ここは俺の仕事場なんで。
一緒にふっ飛ばされると、後から何と言われるやら」

と、ちょっと焦った風に言ってしまった。
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