#06 プレゼント
文字数 2,785文字
ソースの中に、チョコレートをぽとんと落とす。
とろーりと溶けていくチョコレートを見ながら、了のよろこぶ顔を想像させる。
とろーりと溶けていくチョコレートを見ながら、了のよろこぶ顔を想像させる。
玄関のドアが開くと同時に、自分でも知らず知らずのうちに駆け出していた。
息を切らせる私を見て、きょとんとする了。
じぃーと私を見るなり、顔をゆがめてクスクス笑い出した。
じぃーと私を見るなり、顔をゆがめてクスクス笑い出した。
それまで笑っていた了が、急に険しい顔つきになり、私の手をグッとつかんだ。
そして、絆創膏だらけの私の左手を痛々しそうに見つめる。
足早にキッチンへ向かう了を見て、思わず深いため息を
了が立ち止まる。
きっとダメ……。
肩を落とす私の耳に届いたのは、了のよろこぶ声だった。
きっとダメ……。
肩を落とす私の耳に届いたのは、了のよろこぶ声だった。
パクッと、口の中に入れる了。
あ……っ!
あ……っ!
了、それどういう意味?
なんか胸が……、おかしい。
なんで、こんなにドキドキしてんの?
なんか胸が……、おかしい。
なんで、こんなにドキドキしてんの?
ソースをペロリとなめながら、了が言う。
────よかった。
私たちの思い出のハンバーグ、覚えててくれてたんだっ!
そう言って、ハンバーグに手を伸ばしたときだった。
……え?
それは不意討ちのキス。
ふわりと優しく、了の唇が触れた。
……え?
それは不意討ちのキス。
ふわりと優しく、了の唇が触れた。
さらりと言う了に、全身がカァと熱くなる。
え?
ねぇ、それって……、
私が沢木くんといっしょにいるところを見て
なに言ってんの、私。
これじゃ、まるで“好きだ”って言ってるようなもんじゃない……!
これじゃ、まるで“好きだ”って言ってるようなもんじゃない……!
言葉に詰まる私の前に、了から可愛らしい小さな箱をスッと差し出す。
了から初めてもらったプレゼント。
リボンを
やっぱり、ルビー!
頬をポリポリとかきながら、照れくさそうに了が答えた。
了の手が伸びたとき、思わず息をゴクリと飲み込んだ。
了の長い指先が、私の耳に触れる。
前かがみになっているせいか、了との距離は近く、了の髪や了の服から、了のいい匂いがしてきた。
まるでくすぐるかのように、了が私の耳もとにふわりとキスをする。
耳を押さえて了を見ると、そのまま覆 いかぶさるようにしてギュッと抱きしめてきた。
了の手が、スルリと服の中に侵入してくる。
ソファーに踏 ん反 り返って座る了。
今、なんて?
あーあー、そういうことね。
今になって、ママが言ってた意味がわかった。
気づけば、了が私の手をとっていた。
了はそう言うと、私の手の甲にチュッと唇を押し当てた。
……えぇっ!!
ビクッと体を震わす私に、了がクスッとイタズラっぽく笑う。