episode：04 将来の夢
文字数 888文字
わぁー、おいしそう♡
ついつい足を止めてしまう、駅前のケーキ屋さん。
今日もあまい匂いに誘われて、ショーケースに釘付け。
今日もあまい匂いに誘われて、ショーケースに釘付け。
おい、ヨダレでてるぞ。
えっ、うそ。ヤバ……。
う・そ♪
……りょ～う～！
口角をあげ、イタズラな笑みを浮かべる了を私は頬を膨らませて、トンと彼の胸を叩く。
ははは、声かけなきゃ何時間でもへばりついてそうだったから。
だって～。
結局、全部、親父たちに食われちまったもんな。
二人そろって風邪をひいてしまった日に戻すね！
「おーい、冷蔵庫にケーキが入ってるぞ～！」
「……パク。美味しい♡」
「ホント♡ さすが駅前のケーキ屋さんね」
「うん。それほど甘くはないし、これはなかなか」
「おっ、ケーキ２つ残っちまったな、どうする？」
「そうね、あの子たち、風邪ひいてるし……」
「じゃ、私たちで食べちゃう？」
「それ賛成！」
「イエーイ！」
了が憂のために買ってきたケーキは、自分たちの親に食べられちゃたという、なんとも悲しい話なのね……。
あれ全部、私のケーキだったのにっ‼
（マジで、ひとりで食うつもりだったのか？）
風邪も治ったことだし、今から食べる？
ホント⁉
好きなだけ食えよ。
了、大好き♡
あと……！
…………？
俺、パティシエになるっ！
え？
将来、パティシエになって、憂にうまいケーキいっぱい食べさせてやるよ！
なにもそこまでしなくても……。あ、なんなら、ここでバイトしてレシピ盗むとか……。
憂に、俺の作るケーキのほうがうまいって言わせたいんだよ。
……じゃ、私は了のそばで応援するね。もし太っても、私のこと好きでいてくれる？
あたりまえだろ。てか、憂はもう少し肉つけたほうがいい。前にも言ったけど、抱き心地の悪い女はやだって────。
じぃーっと見る了の視線をたどると、口よりも先に手が出てしまった。
……ちょっ！ どこ見てんのよ、このドスケベッ!!
……ってぇ。俺はもう少し……大きいほうが好きです。
こ、これでも、Bはあるもんっ！
へえー、Bは あるんだ。
た、たぶん……。
じゃ、今夜たのしみにしてる♡
えっ、ちょっとまってよ。えぇっー⁉
なーんてね♪
ニタッと笑う了。
今日も了にドキドキさせられる。
今日も了にドキドキさせられる。
