episode:03 手紙編 part②
文字数 921文字
了の胸の中で泣いてから、約1時間後のこと……。
きょとんとする私に、了がクスクス笑いながら手紙をちらつかせる。
了から手紙を奪うと、昔、自分が了に宛てた手紙を読んでみる。
“了、お元気ですか?
憂は元気です。
今日、うさぎのラビちゃんがあかちゃんをたくさん産んだの。
すごくかわいかったよ。
憂も将来、あかちゃんたくさんほしいな。”
憂は元気です。
今日、うさぎのラビちゃんがあかちゃんをたくさん産んだの。
すごくかわいかったよ。
憂も将来、あかちゃんたくさんほしいな。”
カァと顔が真っ赤になる。
うそ、私こんなハズイ手紙書いてたの!?
うそ、私こんなハズイ手紙書いてたの!?
“今日、転校生がやってきました。
男の子と女の子の二人。
実はこの二人、双子なんだって。
男女の双子ってめずらしいよね。
いいなー、双子。
憂も将来、双子がほしい。”
男の子と女の子の二人。
実はこの二人、双子なんだって。
男女の双子ってめずらしいよね。
いいなー、双子。
憂も将来、双子がほしい。”
……確かに、小6のときに双子の兄妹が転校してきたのは覚えてる。
けど、私ホントにこんな手紙書いたの?
けど、私ホントにこんな手紙書いたの?
フフフと了は鼻で笑うと、なつかしい封筒から手紙を取り出す。
えーと、なになに……。
“来週はバレンタインデー。少し早いけど、了にプレゼントするね。ママに教わって、いっしょうけんめい作ったチョコだよ。ちゃんと食べなきゃダメだかんね! 憂も大きくなったら────……。”
この手紙の続き、覚えてる。
“憂も大きくなったら、自分の子供といっしょにお菓子作りしたいな。”
自分の子供……。
了……との子供…………。
はずかしい。
考えたら、すごくはずかしい。
“憂も大きくなったら、自分の子供といっしょにお菓子作りしたいな。”
自分の子供……。
了……との子供…………。
はずかしい。
考えたら、すごくはずかしい。