SUMMER AND

文字数 382文字

 夏休みになり、夏の暑さの中だからこそとも言える子供の搬送が増えた。子供の健康を考えるべき保護者が、自らの快楽の為、子供を車内に残し放置する。ただでさえ暑い夏の昼。自らは冷房の良く効いた場所で好き放題楽しみ、その間中ずっと、子供は狭く風も通らぬ車内で苦しみ喘ぐ。
 枯れた子供の声は車外に容易には届かず、駐車場へ近付く者が居なければ発見には至らない。また、駐車場を回る警備員の目は子供を映さず、車内放置による子供の死は年々増え続けていた。
 車内放置に注意喚起するポスターは保護者の目に移らず、ながらスマホを注意する放送は保護者の耳に届かない。そうして子供達は感情を失い、諦めることを学び、保護者以外に助けを求めることを知らず知らずに身に付ける。
 恵まれて育った有識者にその苦しみは理解できず、想像することすらしない。否、その結果が感情を失った子供達である。
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