SURVIVAL5

文字数 302文字

 動ける大人達が去り、動けぬ大人達が全て炎に飲み込まれた時、謎の生物は声を発することを止めた。すると、瞬時に炎は消え、代わりに真っ暗な円形の空洞が床に現れる。
 宙を舞う生物は空洞の中心辺りまで移動し、深い溜息を吐いた。その溜息は雲となり、ゆっくりと謎の生物から離れていった。
「がっかりダネ。こうなる前に、誰かがリアルの楔を見つけると思ったノニ」
 生物は再度溜息を吐き、それもまた雲となって離れていく。
「まあ、それクライ酷い人しか、ここに来られないケド」 羽を持つ生物は呟いては溜め息を吐き、それはその度に雲となっては離れていった。その雲は空洞の上を静かに移動し、床の上で幾らかスピードを上げる。
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