SURVIVAL2

文字数 343文字

 謎の生物は何時しか叫ぶのを止め、その空間に居る者達は恐る恐る歩き始めた。大人達は、慎重に一歩ずつ、しっかりと周りを見ながら進んでいく。
「愉快ダネ、愉快ダネ! 障害物が何にも無い所で慎重なんて!」
 謎の生物は再び声を上げ、大人達は引き寄せられる様に生物を見上げる。
「何が見えるカナ? 何が見えているのカナ?」
 羽根を持つ生物は、そう問うと話すのを止め、円周を広げながら旋回した。一方、空を飛べぬ者達は、暫くの間上方を虚ろに眺めていた。それから、その幾らかは足元を見つめ、再度歩き出す者は居なかった。
 旋回する生物は、眼下の動きを知ってか知らずか、何も見当たらない空間を飛び続けた。何も見当たらない空間では時間経過も曖昧で、生物が動きを止めることも、その予兆すら見受けられない
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