第32話 みーちゃんの大好きな納豆ヨーグルト・トースト

文字数 677文字

 今日のみーちゃんはお母さんとお昼です。

 みーちゃんには、ひそかに、やみつきになっている食べ物があります。納豆とヨーグルトを混ぜてトーストした食パンにはさんで食べるのです。

 留守番していたとき、冷蔵庫に、お父さんの納豆とお母さんのヨーグルトがあったので、ためしに混ぜて、トーストした食パンにのせて食べてみたことがあります。ミッシェルで買ったみーちゃんお気に入りの6枚切りの食パンです。

 すると、納豆のしつこいねばねばが、ヨーグルトのさわやかな酸味ですっきりします。それに、トーストのカリカリ感も加わっておいしいのです。それ以来、すっかりはまってしまいます。

 今日のお昼も、みーちゃんはその納豆ヨーグルト・トーストにします。

 ──このハーモニーがたまらないや。

 「お母さんも食べてみる?」

 そうめんをすすっているお母さんに、みーちゃんはそう勧めます。

 「いりません。そんな変なものは嫌です。お母さんは納豆は納豆、ヨーグルトはヨーグルト、パンはパンで別々に食べたいの」。

 お母さんは、顔をこわばらせて、本当に嫌そうな顔をしてそう言います。

 「でも、お父さんの好物の納豆とお母さんの好きなヨーグルトとみーちゃんのパンが混ざって、まるで家族団らんしてるみたいだよ」。

 お母さんは、頭をこきざみにふりながら、口を横にかたく開いて、こう言います。

 「納豆とヨーグルトとパンが混ざった家族団らん?そんなキワモノなら、お母さんはごめんこうむります」。

 ──「キワモノ」って、ずいぶんなことを言うなあ。

 やっぱりうちにはこのハーモニーが必要だと確信するみーちゃんなのです。
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