エピローグ

文字数 340文字

理科の時間に習ったと思う。哺乳類には刷り込みという性質がある。生まれたばかりの時に出会ったものから学ぶという学習行動だ。それを英語でインプリンティングというらしい。私達は哺乳類に生まれ、その性質があることを受け入れるしかない。どんなことを学習し、またさせてやれるかは、時代や場所によって変化する。哺乳類の性質は変えられないけれど、社会は変えられる。何故なら社会は、私達で出来ている。
私は自分を苦しめていたインプリンティングの足枷から、自分を解放することにした。それは育ててくれた親への反逆ではなく、移り変わる社会を生きる者に育ったことへの感謝になる。
夫は私と似た匂いがした。一緒に克服していきたかった。できなくて残念だった。先に行きます。後から来てください。私には未来が見えます。
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