ヌルル 福岡に行く 三日目

文字数 906文字

滞在先のオーナーがもつ鍋を振る舞って下さった。おかわりをし、締めのちゃんぽんまでいただいてとても満たされた気分になった。
肉の油が染みたキャベツやもやしやニラも美味しく、それは全てが調和した混沌の渦中に見つけた味覚の爆発であった。大爆発であった。のちに訪れる白色矮星の薄明かりが灯る意識の重力崩壊が僕を心地ち良い眠気に吸い込んでいき、微睡のブラックホールからなんとか抜けたとき、出立の時間になった。


* * *

そして我々は温泉施設「ふくの湯』に着いた。




そこで我々はのんびり風呂を楽しみ過ごした。
何と驚いたことに、コーヒー牛乳も飲んだ。

* * *

そして我々は今日の現場に到着した


* * *

小さなパンを3個食べたら眠くなった。会場のソファでウトウトした。
今日の現場はクラブだった。夜通し踊り明かす若者たちの聖域のようにも感ぜられた。常に音圧ゴリゴリの音楽に中にいると、少し疲れる。
さらに言えば僕はクラブに良い思い出がない。正直一刻も早く帰りたかった。
クラブは僕のように声や音を頼りに個人を識別したり場面の変化を感じ取ったりするタイプの人間にとって鬼門である。
出入りしている人間も何となく遠い人種のように感じる。音圧だけが音であって、内臓が押されるような圧迫感が当たり前のようにあってこそだよと思っている人達ばかりな気がする。

* * *

どうしてもお腹が減ってしまって、真夜中だというのにラーメンを食べに行ってしまった。あまつさえ餃子もつけてしまった。
そして仲間らも一緒に行ってくれた。
画像を撮り忘れてしまったけれど、とても美味しかった。
ラーメンとは不思議な食べ物である。これのことを書いているだけで食べたくなる。

* * *

次の日の13時の飛行機で僕らは帰る。本当にいい旅だった。今回の一連をオーガナイズしてくれた女史に心からの感謝をささげたい、本当に有難う御座いました。今度は女史をこちらにお誘いし、何かイベントを企画しようと思う。

俺たちの旅は、まだ始まったばかりだ!

という急な打ち切り展開な台詞で閉まる。




違う。

断じて。

音とは耳を澄まして摘んでゆく空気の揺れの花びらである。

現にそれらは一度も耳を澄まさなかった。








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