第7話噓は嫌いだ

文字数 516文字

なんか、さっきの意地悪。

折角優しいって褒めてあげたのに。

今まで本当にごめん。本音を言えずにいた。俺は優しくない、ただの偽善者だ。

本当に好き同士じゃなきゃ付き合っちゃいけないなんて、少女漫画みたいな事は思ってない。現実は甘くないから。だから世の中の大半がそうするように、平凡な付き合いが出来たのは凄く感謝してる。

俺が悪かった。別れよう?

恵世、察しがいいから私が性感染症になったのバレた?ごめん!・・・でも別の人と付き合ってみて分かった、恵世は本当に1番優しかった。恵世みたいな気遣いのできる男なんていなかった。だから・・・別れるは無しにしてよ・・・
ごめん。本当は俺、噓が苦手なんだ。本当は心の狭い人間だから、ごめんね。
・・・好きな人が出来たとか?
力になってあげたい子はいる。

(秋ちゃんは野良猫みたいで放っておけない。ついつい餌をあげたくなる。やっぱり俺は偽善者だ。)

<クリニック内>

秋がお祓いもどきの最中

親父のせいで!親父のせいで不細工に生まれてしまった‼畜生‼

美人に生まれたかった‼ 美人が羨ましい‼ 彼女が羨ましい‼

秋ちゃん。これからは、僕をお父さんだと思って思う存分甘えなさい。
やめてください、怒りが消えてしまうじゃないですか‼
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登場人物紹介

原桜香(はらおうか)

原心療内科の院長。 霊感はあるが、払うことが出来ないので自分に憑かせている。

原恵世(はらえよ)

院長の息子。占いで共感能力が高いと言われている。普通の社会人

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