各章についてのエピソード

文字数 5,149文字

寄り道
この章を書きはじめた頃は、結子達のキャラがまだ掴めなくて、手探りで書いていました。
冒頭の会議室を出るシーンを修正しています。
修正前は結子が声を掛けていましたが、修正後はシュウに変更。
シュウは会議が終わってすぐ、スマホをいじる子ではないなと思ったから。
クラス委員って、どれくらいの頻度で選ばれるんだろう。
小学生の頃は学期毎だったけど、高校では前期後期の二回だったと思う。
クラス委員会も高校ではあまりしなかったかも。
隔週は多過ぎだね(笑)
会議の時間も変更しました。
当初の感覚では一時間くらいでしたが、特に議題がなかったら、サクッと終わらせそうなので。
作中のカップルみたいにチュッチュしているのは見たことがありませんが、コンビニの死角でハグしているカップルを見てビックリした記憶があります。
ボンヤリしながら隣のコーナーに移動したら、ガッツリと抱き合っていたからさ。
予想外のものが目に入ると、ついビビるよね。
修正前の結子は五回目のキスで目を逸らしていましたが、三回に減らしました。
さすがに見過ぎじゃないかと思って。


好きな子の為ならば
回想シーンを書くのは苦手。
これでも、読みやすく修正したつもり。
中坊時代のシュウが行こうとしたコンビニは、後の事故現場ですね。
昔に比べれば捨て犬や捨て猫を見掛けませんが、実際は減っている訳ではないのかしら。
テレビで保護猫や保護犬のボランティアをする番組があるもんなあ。
安易に拾うな、勢いで引き取るな、と突っ込みを入れながら書きました。
アオちゃんは現在進行形で可愛がられていますけどね。
猫の名前がアオといえば、篠田真由美さんの桜井京介シリーズが思い浮かびます。
あちらのアオは蒼ですが。
写真のデジタル保存といえば、私は学生時代のアナログ写真を小型のスキャナーで取り込みました。
当初、スマホにスキャンアプリをインストールして取り込み作業をやろうとしましたが、面倒そうなのでやめました。
スキャナーは早いし楽。
お値段もそんなに高くないし。
ただ、使用頻度が少ないので、取り込み作業を終了して数年、眠った状態です。
pixiaでお絵描きしていた頃は、アナログ線画をスキャンして色塗りしましたが、アルパカさんでは下絵から描いているのでね。
最後の文を読むと、決まって大黒摩季の「夏が来る」が頭の中で流れます。
シュウに恋してもフラれるからと、恋愛対象として見ないようにしています。


背中を押す
私が書く話のキャラクターは、本屋さんに行きがち。
というか、学生が本屋以外で時間を潰せる場所ってあるのか?
ゲーセンやカラオケボックスはお金が掛かるじゃんよ。
結子、三十度で暑いと言っているのね。
三十五度以上の日々を過ごしているせいか、「三十度? 涼しくね?」とバグっています。
この頃のシュウは、由衣ちゃんに恋しています。
結子は、友達に彼女が出来たら置いていかれそうで寂しいな、という感じ。
それでも、シュウの恋を応援する気持ちは本物なんだけど。


こじらせた原因と遭遇
メッセージ交換をすることで、由衣ちゃんは脈なしかなと諦めモードへ。
いつシュウが結子を好きになったか、分かりやすいエピソードを挿入しました。
甲斐くんは兄貴タイプで、長身短髪のイメージ。
本気にするなと言われたものの、結子に好きと言われて以来、気まずさを感じていました。
久し振りに結子と会ってシュウといるところを目撃し、「彼氏が出来て良かった」とホッとしていそう。
ここでも脳内で流れる、「夏が来る」(笑)
「雨男」のセラもですが、最低ラインの条件を挙げていますね。


相合傘
シュウのことなので、結子の選択教科をリサーチして丸かぶりさせたと思います。
由衣ちゃんが好きだった時は、同じ高校に行きたいと思っていたくらいなので。
シュウちゃんは一歩間違えると、メンヘラになりそう。
雨の日に水しぶきを被る度、「アイツ、事故ればいいのに」と呪いの声をあげています。
帰りならまだしも、出勤途中でやられたら毒づきたくもなりますわ。
高校時代、一週間くらいデパートのレストランでアルバイトをしました。
お冷を用意しますが、ホースで入れていたことを思い出し、コレはヤベえなと改めて感じました。
裏側は知りたくないことを目の当たりにしますね。
この辺りのシュウちゃんは、結子に惚れているので「初デートの相手がオレならば最高なのに」と思っていそう。
でも、草食系なので、気持ちを表に出さないようにしています。
二人の身長は、結子が158センチで、シュウは175センチだったかな。
途中まで、ワンピースは重要アイテムでした。


どんな女の子にも優しいだけ
相合傘シーンを途中で区切りました。
由衣ちゃんのことを聞かれた時、ここで結子が好きと言えば良かったんじゃないか(笑)
夏南ちゃんは、話を書き進めているうちにキャラ設定がつきました。
当初は、記憶喪失になったシュウにショックを受けるモブ女子でした。
カラッとしたタイプのギャルちゃんで、シュウに恋しているけど脈はないと悟っています。
女の勘で、シュウは結子に惚れていると察しています。
結子にはかなわないと思い、嫉妬する気も失せるという感じです。
結論として、シュウが相合傘をするのは特別な子だけなのです。


予想もしない報せ
ここからがメインです。
初期段階では、一話目でシュウの事故報告シーンでした。


対峙する覚悟が出来た
この章を書くにあたって、どんな心情が結子らしいだろうと、頭を悩ませました。
物分かりが良過ぎるのもどうかと思うし、センチメンタルになり過ぎては鬱陶しいし。
シュウのお見舞いに行かなくなったクラスメイト達は薄情な気もしますが、シュウが結子に心を開くまでの過程を書くことに集中したかったので、申し訳ないけどログアウトしていただきました。


白の世界にいるシュウ
もっと心を閉ざした感じにすれば良かったかな。
そうだったら、結子と会おうとしないか。


甘える猫
シュウちゃん、結子にデレるのが早い(笑)
記憶がなくても好きな子だからな。
猫は飼ったことがないので、想像しながら書きました。
結子がお見舞いで持って行ったゼリーのモデルは、地元のお菓子メーカーで販売している商品です。


前進しているのか否か
記憶喪失中のシュウが親をどう思っているか、という答えの内容を変えました。
前の表現では分かりにくいなと、ずっと引っ掛かっていたので。
結子にスマホを預けるのは不自然だったかしら。
シュウが結子をずっと前から好きだったという信憑性を高めたかったのよ。
疑いだせばキリがないんだけどさ。
シュウちゃんはiPhoneユーザーという設定ですが、今のiPhoneは六桁パスワードがデフォルトらしいですね。
私はandroidユーザーな上、会社で使用しているiPhone6は四桁パスなのですよ。


苛立ちと後悔
この場面も、どう書くのが正解か分からなくて悩みました。
作中で結子も思っていますが、どこまでシュウに尋ねて事実を伝えればいいか、迷ってしまう。
さすがのシュウも、あまり首を突っ込まれては、結子に警戒するだろうし。
さりげない優しさの表現は難しいね。
「まだ誰のものでもありません」を使う女子高生、結子(笑)
平成以降に生まれた子は元ネタが分からないって。


違う、そうじゃない
by鈴木雅之(笑)
この曲って、ネタの前振りっぽく使われることが多いな。
私が通っていた高校では、夏休み明けに課題テストがありました。
七月中に課題を片付けても、テスト前には課題に目を通さなくてはならないという。
もう勉強した内容は覚えていないわと、ぼやいたものです。
記憶を失う前に比べると、シュウは積極的になっています。
それでも草食系スピリッツは残っているので、「オレとデートに行こう、ワンピースを着てよ」と露骨に誘いはしませんが。
シュウは、好きな女の子を下の名前で呼びます。
シャイボーイなので、由衣ちゃん本人には名字で呼んでいたでしょうね。
この章で「白い世界で君が呼ぶ名前」の意味が分かるかと思います。


外に出よう
外に出掛けるシーンを書くにあたって、ロケーションを脳内で描きました。
結子達の住む地域は地方なので、栄えているところは駅前か国道沿い。
どのタイミングでシュウの記憶を戻すか悩んだなあ。
既に思い出したのに、結子に隠していたという設定だった時もありました。


校舎探索
尾崎ネタをぶっこんでいます。
結子、サバ読んでいるのか?
私が高校に通っていた時も、学校の傍に小さな商店がありました。
そこでカップヌードルやパン、お菓子を買ったものです。
コンビニもあったけど、少し距離があったんだよね。


意表を突かれる
もっと、結子が混乱している様を強調するべきだったかな。
でも、あまりゴチャゴチャ考えさせるのもウザイなと思って。
あと、シュウが好き好きアピールをしていたというセリフは削除しました。
それに伴い書き直したら、アッサリしてしまった。
実は、記憶が戻るまででいいから付き合ってと、シュウが言う展開も考えていました。
だから、記憶が戻っても、交際を解消したくなくて黙っていた、という流れに持って行きたかったんですね。
記憶喪失前と後にワンピースの話をしますが、ワンピースの画像を見せたのは記憶喪失前だけなのに、何故かワンピースの色やデザインを知っている様子で、いつになったらデートで着てくれるの?とシュウが言うから、結子が「あれ、おかしいな」と訝しむ……という感じ。
しかし、草食系の子が手前勝手な頼みを好きな子にしないだろうと思い、今の展開となりました。


友達なのに、つい意識する
シュウちゃんは結子にフラれたのに、意外と臆しません。
記憶喪失になったことで、前よりタフになったのかな。
実は、シュウの星座を間違えていた時がありました。
九月下旬生まれの場合、天秤座なのに乙女座と書いていました。


素直に受け取れなくて
結子の気持ちをどう書けばいいか分からなくて、何度も修正しました。
恋愛寄りにしてはウエッティになるし、友達と強調し過ぎてもワザとらしいし。
シュウが積極的に記憶を取り戻そうとしないのは、昔の自分に嫉妬しているから。
結子は過去のことを大切そうに話すし、結子がシュウの気持ちを受け入れてくれないのは、過去の自分との繋がりを優先にしている、と思っているからです。


意識するのは、素敵な男の子だから
結子、こじらせているなあ。
当初は、お互いの気持ちをあけすけに語らせるつもりはありませんでした。
実際に書いてみたら、二人らしいやり取りかもしれない。
クレープは、しばらく食べていません。
お祭りの屋台を見ると気になるものの、結局はスルー。
クレープ屋さんのものは種類が多くてワクワクしながら選びますが、無心にもくもくと食べてしまい、もっと味わえば良かったと後悔してしまいます。
ここから、シュウの記憶が戻り掛けていますね。


ようやく
記憶が戻る過程は、大袈裟でない方がいいかなと思いました。
ずっと、結子好みの男について考えていたならば、少し気持ち悪いかも(笑)
友情と恋愛の間に揺れる乙女心って、表現するのが難しい。
ポロッと本音を漏らしながらも、シュウの復活を喜んでいる、というところかな。


ずっと、シュウが呼んでいたのは
どうオチをつけようか悩んだ結果、こんな感じになりました。
結子の答えが中途半端なので、シュウが可哀想な気もします。
しかし、由衣ちゃんのことは既に過去の恋だったと言われても、じゃあ、付き合おっか、とはいかないよな。
本当は、もっと結子の心情を書きたかったのですが、「どうして、由衣ちゃんを諦めたって、早く言わなかったの」に集約させました。
由衣ちゃんへの恋情を吐き、背中を押してくれたり励ましてくれたりした結子に、由衣ちゃんは諦めました、今は結子ちゃんが好きです、とは言えなかったんですね。
記憶喪失前は、結子に避けられることを怖がっていただろうから。


何があっても、恋し続けるから
「雨男」を未読の方にとってはネタバレになりますが、二作続けて誕生日を祝うラストになったことに、今、気付いた(笑)
後に「雨男」の作成裏話を書く予定ですが、二作でシチュが被ってしまい、変更したシーンがいくつもあったのよね。
記憶が戻って一ヶ月も経っていないので、お互いに意識しながらも、仲良し関係でいます。
ラピスは十二月の誕生石のイメージがありましたが、インターネットで調べると、九月の誕生石でもあるのね。
サファイアでも良かったのですが、ラピスの方が男性でも気楽につけていそうな印象があったので。
「白君」はこれで完結ですが、短いアフターストーリーをいくつか書きたい欲はあります。
どのタイミングで二人が恋仲になるか、いつ結子は勝負服を着るのか。
満足のいく内容が浮かんだら書くかもしれないけど、予定は未定。
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登場人物紹介

比奈結子(ひな・ゆいこ)

ハキハキした性格の女子高生。

中学時代に失恋して以来、ナカナカ恋ができないでいる。

邦倉修士(くにくら・しゅうじ)

結子と同じクラスで、周りから仲良しコンビとして認定されている。

チャラいイケメンに見られがちだが、実は草食系男子。

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