第7話
文字数 2,733文字
簡単なあらすじ:
師匠が一番ヤバい人だった……
人物A:それじゃ、今日のメニューに入ろうか!
人物B:はい! よろしくお願いします!!
A:でも……まあ、結構脱線したし。ついでだから、アイテムの作り方にしようかな
B:?
A:レシピ云々じゃなくて、予 め解っておいた方がスムーズに楽しめる知恵袋、的な話だね
人物C&D&E、(顔を突き合わせて)……ひそひそひそ……
A:その後時間が残ったら、やるはずだった戦闘の基礎編だね。ヨロシク
D:Aって、最初期勢だよね。あのオーディンかっ飛ばせる火力出せる装備って、あったっけ?
E:チートの線は? オーディン実装の前後って、結構有名なバグあったりしたじゃん?
C:……どうだろうなあ……。タイムアタックキャンペーンとか並行してたし。その手のネタは運営が監視してたと思うんだけど。
B:…………(興味が惹かれる風情)
A:…………。(ため息をついて、そっとC&D&Eに接近)
A:失礼な事、言わないように。使い道の無かった「勇者の剣」で挑んだだけだからね!
E:……あ! クリティカルバグ!!
C&D:それか?!
A:違う!! 「勇敢」特攻!
E:……え? 効くの、それ!?
B:??
D:……魔王判定じゃん。神様なのに、一応
A:「勇敢を尊ぶっていう設定がある」から。後、挑んだタイミング、ver.2062アプデの直前だから。皆、レイドボスに超絶ダメージ出しまくること、熱中してたでしょう。結構、話題にならなかったよ? 攻略サイトで”あの、糞魔神をサンドバッグ?! 一撃完殺レシピ確定!!”って、見出しがついてたんけど
C:もっと早く教えろよ!! サンドバッグよりも惨めな目に合わせてやれたのに……!!
A:無茶言わないで。最速攻略から二年後ぐらいのネタだったし。……特攻自体は今も残ってるけど、「勇敢」特攻だけでかっ飛ばすのは、もう無理かな
E:……怪しい。勇者の剣の一番使えない所って、ATKが一定の値を超えるとクリティカルが通常攻撃よりも弱くなる仕様なんだぞ。それをどうにかできないと、一撃確殺は無理……ぶつぶつ
B:……あれ? 確か、抜けみ――(Aに杖で小突かれる)
A:…………
B:――――(無言で肯く)
C&D:…………(A&Bのやり取りを見て、ため息)
A:さて。アイテム作成の基本と言えば、ずばり、ポーションとエーテル!
C:回復薬の基礎な。……ポーションはともかく、エーテルは基礎か?
D:いいんじゃない。この場合は基礎で。解禁、中級プレイヤーになりたてのタイミングだし、公式でも中級判定だけど、重要度は同じでしょ
A:自動回復だけで間に合う状況が目に見えて減り始めるタイミングに合わせてあるから、だろうね。買う――にしても高めだから、ストックするのも大変な頃だね
D:だからって、確保を甘く見ると、泣くんだよね。想像以上にハードなバトルの連続に、MPとかスキルとか全部使い切って撤退した挙句、貴重なボーナスアイテム獲得し損なったギルメンから顰蹙買って、泣く泣くF2引退――。それが頻発するのがギルドイベデビュウ……!
C:バトルコンプリートボーナスとか、逃すと損害デカいからなあ……。年配の連中も、つい、キツく当たっちまうんだよ。新人育成、面倒だからって片手間にするくせに
A:参加メンバー全員の突破が条件になってるボーナスが在るのと、24時間サイクルでボーナスメモリが進んでいくからね。逃したイベントボーナスは取り戻せない
D:ボーナスがイベ報酬に掛かる倍率だったりすると、最悪だね。F2運営、結構奮発するから。入手ムズめの希少素材とかきっちりリストアップしてくるし。10倍が8倍になるだけでも紛糾するんだよねえ……
C:ゴタって、ギルドが壊れる――なんてのも、風物詩だぞー(Bをからかうように)
D:あたし、それで一回、引退決意したからなあ……。最後って決めてた冒険で妙なツキ引いちゃって、どうしてもお持ち帰りしたくなって――(Aを見る)あんたたちと出会ったんだよねえ……
B:……へえ……
C:いんじゃね、別に
A:そんな事もありましたねえ……。ま、思い出はさておき(杖で、Eの頭を一撃する)
E:……ぶつぶつ、あたっ?! …………誰~だ~い? 今、僕~に~喧嘩を売ったのは…………!
A:はい、特別講師のE君。ポーションとエーテルの回復一覧、出してあげてねー
E:……む~う~
B:よろしくお願いします! ……先生!
E:……しょうがない、か~
◆ポーション:
F2における、最も基礎的で汎用性の高い回復薬。特別に調合された揮発性の高い液体に回復魔法が封じ込まれた物。容れ物を割って、対象に振りかける形で使用する。液体は着衣、装備品を透過して地肌に触れ、回復効果を発揮する。
ポーション:☆1 回復量:50
ポーション(P):☆3 回復量:150
ポーション(H):☆4 回復量:450
ポーション(D):☆6 回復量:1350
ポーション(EX):☆9 回復量:4050
◆エーテル:
MPを回復できる霊薬。ポーションよりも調合素材を集めるのが難しい。薄青く光る液体であり、使用法はポーションと変わらない。尚、アルコールとは全く別の物質である。また、MP回復アイテムは他にも複数存在するが、世界中で流通する程普及しているのはエーテルのみである。
エーテル:☆3 回復量:20
エーテル(P):☆5 回復量:60
エーテル(H):☆6 回復量:180
エーテル(D):☆8 回復量:540
エーテル(EX):☆9 回復量:1620
E:……ヒヒヒ。☆は作成難度だ~か~らね~
B:回復量、しょっぱくないですか? あれ……? 動画だと、20万とか一遍に回復してたのがあったよな……
D:レア1の時の効果量だからね。そんなもんだよ
B:と、いうことは……?
E:レアリティが高い=効果が高い、だ~よ~。レア3のポーションなら、150か~い~ふ~く~
A:後は、「アイテム効果増強」との複合。+50%~+200%は汎用スキルに在るよ
C:ソロイベはともかく、ギルドイベなら+300%以上必須な。+500%あれば、文句は出ねえはずだ
D:それ、最速攻略とか、耐久狙うガチギルドのマイルールでしょ! 2倍あれば、ぶーたれられる筋合いないよ! ……あ、最大は+1000%ね。解禁が超! 面倒だから、無理して狙わないように
E:で~も~、Cの方が~無難~。レイドイベはべ~つ~だ~け~ど~
A:……鬱陶しいから、ロールプレイ語尾禁止!!
E:え~?!(割と本気の不満顔)
C&D:Aに同意!!
E:Bを見る
B:えーと……。中立を維持します
E:……い~な~い~……、味~方~が……!
しゃがみこんで、地面にのの字を書く仕草を始めるE。
師匠が一番ヤバい人だった……
人物A:それじゃ、今日のメニューに入ろうか!
人物B:はい! よろしくお願いします!!
A:でも……まあ、結構脱線したし。ついでだから、アイテムの作り方にしようかな
B:?
A:レシピ云々じゃなくて、
人物C&D&E、(顔を突き合わせて)……ひそひそひそ……
A:その後時間が残ったら、やるはずだった戦闘の基礎編だね。ヨロシク
D:Aって、最初期勢だよね。あのオーディンかっ飛ばせる火力出せる装備って、あったっけ?
E:チートの線は? オーディン実装の前後って、結構有名なバグあったりしたじゃん?
C:……どうだろうなあ……。タイムアタックキャンペーンとか並行してたし。その手のネタは運営が監視してたと思うんだけど。
B:…………(興味が惹かれる風情)
A:…………。(ため息をついて、そっとC&D&Eに接近)
A:失礼な事、言わないように。使い道の無かった「勇者の剣」で挑んだだけだからね!
E:……あ! クリティカルバグ!!
C&D:それか?!
A:違う!! 「勇敢」特攻!
E:……え? 効くの、それ!?
B:??
D:……魔王判定じゃん。神様なのに、一応
A:「勇敢を尊ぶっていう設定がある」から。後、挑んだタイミング、ver.2062アプデの直前だから。皆、レイドボスに超絶ダメージ出しまくること、熱中してたでしょう。結構、話題にならなかったよ? 攻略サイトで”あの、糞魔神をサンドバッグ?! 一撃完殺レシピ確定!!”って、見出しがついてたんけど
C:もっと早く教えろよ!! サンドバッグよりも惨めな目に合わせてやれたのに……!!
A:無茶言わないで。最速攻略から二年後ぐらいのネタだったし。……特攻自体は今も残ってるけど、「勇敢」特攻だけでかっ飛ばすのは、もう無理かな
E:……怪しい。勇者の剣の一番使えない所って、ATKが一定の値を超えるとクリティカルが通常攻撃よりも弱くなる仕様なんだぞ。それをどうにかできないと、一撃確殺は無理……ぶつぶつ
B:……あれ? 確か、抜けみ――(Aに杖で小突かれる)
A:…………
B:――――(無言で肯く)
C&D:…………(A&Bのやり取りを見て、ため息)
A:さて。アイテム作成の基本と言えば、ずばり、ポーションとエーテル!
C:回復薬の基礎な。……ポーションはともかく、エーテルは基礎か?
D:いいんじゃない。この場合は基礎で。解禁、中級プレイヤーになりたてのタイミングだし、公式でも中級判定だけど、重要度は同じでしょ
A:自動回復だけで間に合う状況が目に見えて減り始めるタイミングに合わせてあるから、だろうね。買う――にしても高めだから、ストックするのも大変な頃だね
D:だからって、確保を甘く見ると、泣くんだよね。想像以上にハードなバトルの連続に、MPとかスキルとか全部使い切って撤退した挙句、貴重なボーナスアイテム獲得し損なったギルメンから顰蹙買って、泣く泣くF2引退――。それが頻発するのがギルドイベデビュウ……!
C:バトルコンプリートボーナスとか、逃すと損害デカいからなあ……。年配の連中も、つい、キツく当たっちまうんだよ。新人育成、面倒だからって片手間にするくせに
A:参加メンバー全員の突破が条件になってるボーナスが在るのと、24時間サイクルでボーナスメモリが進んでいくからね。逃したイベントボーナスは取り戻せない
D:ボーナスがイベ報酬に掛かる倍率だったりすると、最悪だね。F2運営、結構奮発するから。入手ムズめの希少素材とかきっちりリストアップしてくるし。10倍が8倍になるだけでも紛糾するんだよねえ……
C:ゴタって、ギルドが壊れる――なんてのも、風物詩だぞー(Bをからかうように)
D:あたし、それで一回、引退決意したからなあ……。最後って決めてた冒険で妙なツキ引いちゃって、どうしてもお持ち帰りしたくなって――(Aを見る)あんたたちと出会ったんだよねえ……
B:……へえ……
C:いんじゃね、別に
A:そんな事もありましたねえ……。ま、思い出はさておき(杖で、Eの頭を一撃する)
E:……ぶつぶつ、あたっ?! …………誰~だ~い? 今、僕~に~喧嘩を売ったのは…………!
A:はい、特別講師のE君。ポーションとエーテルの回復一覧、出してあげてねー
E:……む~う~
B:よろしくお願いします! ……先生!
E:……しょうがない、か~
◆ポーション:
F2における、最も基礎的で汎用性の高い回復薬。特別に調合された揮発性の高い液体に回復魔法が封じ込まれた物。容れ物を割って、対象に振りかける形で使用する。液体は着衣、装備品を透過して地肌に触れ、回復効果を発揮する。
ポーション:☆1 回復量:50
ポーション(P):☆3 回復量:150
ポーション(H):☆4 回復量:450
ポーション(D):☆6 回復量:1350
ポーション(EX):☆9 回復量:4050
◆エーテル:
MPを回復できる霊薬。ポーションよりも調合素材を集めるのが難しい。薄青く光る液体であり、使用法はポーションと変わらない。尚、アルコールとは全く別の物質である。また、MP回復アイテムは他にも複数存在するが、世界中で流通する程普及しているのはエーテルのみである。
エーテル:☆3 回復量:20
エーテル(P):☆5 回復量:60
エーテル(H):☆6 回復量:180
エーテル(D):☆8 回復量:540
エーテル(EX):☆9 回復量:1620
E:……ヒヒヒ。☆は作成難度だ~か~らね~
B:回復量、しょっぱくないですか? あれ……? 動画だと、20万とか一遍に回復してたのがあったよな……
D:レア1の時の効果量だからね。そんなもんだよ
B:と、いうことは……?
E:レアリティが高い=効果が高い、だ~よ~。レア3のポーションなら、150か~い~ふ~く~
A:後は、「アイテム効果増強」との複合。+50%~+200%は汎用スキルに在るよ
C:ソロイベはともかく、ギルドイベなら+300%以上必須な。+500%あれば、文句は出ねえはずだ
D:それ、最速攻略とか、耐久狙うガチギルドのマイルールでしょ! 2倍あれば、ぶーたれられる筋合いないよ! ……あ、最大は+1000%ね。解禁が超! 面倒だから、無理して狙わないように
E:で~も~、Cの方が~無難~。レイドイベはべ~つ~だ~け~ど~
A:……鬱陶しいから、ロールプレイ語尾禁止!!
E:え~?!(割と本気の不満顔)
C&D:Aに同意!!
E:Bを見る
B:えーと……。中立を維持します
E:……い~な~い~……、味~方~が……!
しゃがみこんで、地面にのの字を書く仕草を始めるE。