第7章 相談する。

文字数 959文字

不妊治療の悩みを、一人で抱え続けるには限界がある。

しかし、家族や職場、友人など周りに不妊治療をオープンにしている人を、私は芸能人以外で見たことがない。私も、家族以外には内緒にしているし、両親にカミングアウトをしたのも不妊治療をはじめて2年経った頃だった。

また、不妊治療をしていない友人や同僚に相談をしても、共感しあうことはできないだろう。困った顔をして話を聞いている友人の顔が想像できてしまう。不妊治療をしている人は、「相談しても解決しない」と思い、どうしても1人で悩みを抱え込む傾向にあるのだ。

しかし、ストレスを我慢しすぎると、精神的な疾患など取り返しのつかない事態を引き起こすリスクがある。

夫だけでもいいし、実母だけでもいい、親友だけでもいい。
誰か1人でいいから、本音で相談できる人を見つけておくと、心が救われる日は必ずくる。
身近に相談できる人がいないなら、例えばブログやSNSなどで、不妊治療をしている人たちとつながるのもいいだろう。

私は、ブログで不妊治療の日記を書いているのだが、同じく不妊治療をテーマに書いている人たちと、たくさん知り合うことができた。

みんな同じような悩みで苦しんでいるし、私よりも大変な想いをしながら、不妊治療を続けている人もいる。同じ境遇の人たちと、ブログを通じて知り合うことで、今までにはなかった「共感」という感情が生まれてくる。
「共感」しあえる喜びは、ストレスを大きく凌駕するものだ。

もし、ブログやSNSをしておらず難しいという方は、市の施設を利用する方法もある。
不妊専門相談センターを設けている自治体は、かなり増えてきた。
無料で相談でき、プライバシーも保護されるから、安心して利用することができるだろう。

不妊治療は、お金がかかる。時間も搾取される。体力も奪われる。
しかし、結果はでない。

仕事や家事など、自分でコントロールできるストレスならば解決策も見つけやすいが、不妊治療は自分ではまったく制御ができない。
そんな毎日を過ごしていれば、心が悲鳴を上げるのは当然だ。

思っている以上に、自分はストレスを抱えていると認識して、信頼できる人に相談したり、施設を利用したり、心のモヤモヤを発散する方法を身につけておこう。

「楽しい」気持ちにはなれないかもしれないが、「楽」な気持ちにはなれるから。
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