第3章 鏡の自分をほめる。

文字数 510文字

不妊治療と、仕事の両立をしゃにむに頑張っていたころ、鏡にうつる自分をみて、ボロボロの姿に驚愕したことがあった。顔の表情は暗く、うつろな目をして猫背で肩も落ちている。
こんな姿で、外に出ていたのかと衝撃を受けた。

そう、不妊治療がうまくいかず、負の感情に支配された私の顔はボロボロだったのだ。

その日から、鏡を見たら「うん、かわいい」「いい感じ」と、嘘でもいいから自分を褒めるようになった。

鏡があったら「今日もかわいいね」
鏡があったら「服装もきまってる」

歯を磨くとき、お手洗いに行ったとき、電車の窓に自分が映ったとき、私の姿が見えたら褒めまくる。
ナルシストみたいでちょっと気持ち悪いが、それはそれとして、徹底して行った。

はじめは「意味あるだろうか…」と思いながらやっていたが、不思議なことに次第にちゃんとかわいく見えてくる。言葉の力は非常に大きい。

かわいいいと声をかけると、人はかわいくなるし、笑顔が増える。背筋もシャキッと伸びてくる。

家事、仕事、不妊治療…いろんなことをすべて頑張っているのだから、「今日もかわいい」と、自分には甘く、優しい褒め言葉をかけてあげよう。

それだけで、かわいくなるのなら、不妊治療はさておき万々歳だ。

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