九 円盤型小型偵察艦の反撃
文字数 4,213文字
二〇三四年三月二十二日、水曜、二〇一四時。
月面での一回目のISS-BS1のフェルミ艦隊攻撃が終了し、イングランドのストーンヘンジの地下に待機していたレプティリアの宇宙戦艦が消滅した。
ISS-BS1は、月面から高度110kmの円軌道を月の南極から北極方向に月の裏から表へ3.07km/secで航行している。3779.05秒、約63分で月を一周する。
ISS-BS1がフェルミ艦隊をレールガン攻撃したのは二〇一三時だ。
突然PeJが言った。
『緊急連絡!各国でレプティリアが不審死してる!
原因は、小天体が各地に出現したせいだ!
誰かか、レプティリアの居留地域に小天体を転送スキップ(時空間転送)したんだよ!』
『誰がそんな事をした?目的は何だ?』
鮫島京香(J)が驚いて聞き返した。した。
鮫島(J)の問いにPDが答える。
『クラリスが地球のレプティリア撲滅に協力しました。
これで、地球からレプティリアとフェルミが消滅しました。残るのはエイプです。
レプティリアが死滅したため、レプティリアが意識内進入していたフェルミの精神と意識が消え、さらにエイプに意識内進入していたフェルミの精神と意識が消えました。
レプティリアはフェルミを通じて、エイプに精神と意識に潜在していた支配欲と独占欲を引き出してコントロールしていましたが、レプティリアが死滅したため、エイプの支配欲と独占欲は解放され、エイプは独裁者に変貌しつつあります。
地球のレプティリアとフェルミは壊滅しました。
地球のエイプはクラリスと茶居玲香と軽部平太に任せ、皆さんはフェルミ艦隊を完全に消滅してください』
『フェルミ艦隊は壊滅してないのか?』
吉永指揮官(C)は驚いた。
『月面に着陸していたフェルミ艦隊は壊滅しました。
新たなフェルミ艦隊が見えてきますよ』
フェルミ艦隊が着陸していたクレーターが地平線の彼方に見えてきた。
4D探査映像に新たな艦隊が現われてターゲットマークが現われた。艦隊はフェルミ艦隊ではなかった。円盤型小型偵察艦による小規模の艦体から成る艦隊だった。
『あれは何だ?』
レールガンのターゲットスコープロックオン4D映像を見て、鮫島京香(J)がPDに訊いた。
まだ、ISS-BS1はフェルミ艦隊をレールガンで攻撃した後、攻撃態勢を維持したままだ。
『新たな艦隊は、フェルミ艦隊に搭載していた円盤型小型偵察艦です。地球に留まっていた主要なレプティリアとフェルミとエイプが地球からスキップ(亜空間移動)して非難したようです』
フェルミ艦隊が搭載していた円盤型小型偵察艦は20隻。大きさは50 mだ。その中に一隻だけ100 mの円盤型偵察艦がいる。
『PD!
奴らに、メテオライトを転送スキップ(時空間転送)してくれ!』
鮫島京香(J)が指示した。
メテオライト(隕石)の転送スキップ(時空間転送)攻撃で生ずるスキップ光を円盤型小型偵察艦20隻に気づかれても、艦隊のレプティリアとフェルミとエイプが壊滅すれば問題はない・・・。
その時、ブリッジの空間に現れている5D座標に、亜空間転移によるスキップ(亜空間転移)を示す、赤みを帯びた青白いチェレンコフ光が現れた。位置は火星の公転軌道と木星の公転軌道との間に存在する、小惑星帯の小天体だ。
一瞬、先を越された、との思考が鮫島京香(J)に湧くと同時に、PDが行動していた。
PDは一瞬に小天体のスキップ経路(亜空間転送経路)を割りだして、火星の公転軌道と木星の公転軌道の間に存在する小惑星帯の小天体を、亜空間転送経路へ転送スキップ(時空間転送)した。
亜空間で、ISS-BS1に向けてスキップ(亜空間転送)された小天体に、PDが転送スキップ(時空間転送)した小天体が衝突した。
『フェルミ艦隊の技術は、精神生命体ニオブが渦巻銀河メシウスのアマラス星系、惑星ロシモントを離れた当時のまま、スキップは亜空間転移のままです。
従って、亜空間転送と時空間転送に差が出ます。
どんなに何を亜空間転送スキップしても、時空間転送スキップより時間がかかりますよ。
それと新たな艦隊がスキップ(亜空間転移)しました。亜空間にいる艦隊に小天体を転送スキップ(時空間転送)しました』
そう伝えてPDが5D座標の亜空間をコントロールデッキの空間に4D探査映像化した。
亜空間を20隻の円盤型小型偵察艦が一塊になって移動した瞬間、円盤型小型偵察艦の一塊の時空間に、小天体の群の時空間が重なり、その瞬間、円盤型小型偵察艦の一塊がヒッグス粒子となって消滅した。
小天体が円盤型小型偵察艦のスキップドライブ(亜空間移動推進装置)我破壊したのである。
『PD。波動残渣を確認してくれ』
鮫島京香(J)は20隻の円盤型小型偵察艦が全て消滅したか、確認したかった。
PDは円盤型小型偵察艦20隻の消滅過程を波動残渣から微速度で再現4D探査映像化した。
『これはいったい?』
PDが円盤型小型偵察艦の一塊の中心を示した。
『逃げられたぞ!』
吉永指揮官(C カムト・ヘクトスター)が円盤型小型偵察艦20隻の消滅する瞬間を示した。周囲を囲んだ19隻の偵察艦が消滅する一瞬前、大きさ100mの円盤型小型偵察艦がスキップ(亜空間移動)している。
『どこへ行った?』と前田班長(G、ガル・ヘクトスター)。
『惑星アーズ、火星です。火星にプロミドンと攻撃艦〈ニフト〉が格納されていると考えているのです』
『精神生命体ニオブのクラリック階級が奪った特別攻撃艦〈フォークナ〉3隻と搬送艦16隻は、火星から回収して月に格納したぞ』
吉永指揮官が、精神共棲しているニューロイドのC、カムト・ヘクトスターの記憶を確認した。
『太古の昔、精神生命体ニオブのクラリック階級が火星のプロミドンを利用して火星をテラフォーミングするため、へリオス艦隊から特別攻撃艦〈フォークナ〉3隻と搬送艦16隻を奪って火星へ逃亡しましたが、失敗しました。
その後、Cたちニューロイドのトムソ(ニオブの特殊部隊戦闘員)が、火星の特別攻撃艦〈フォークナ〉3隻と搬送艦16隻とプロミドンを回収して、月に格納しました。
円盤型小型偵察艦のレプティリアとフェルミは、精神生命体ニオブのクラリック階級が築いた火星の遺跡を改築する気です』
『4D映像探査できるか?』と吉永指揮官(C カムト・ヘクトスター)
『探査してみましょう。ついでに思考記憶探査もしましょう。
PeJ。専属4D映像探査担当して下さい』
『ラジャー。これからは、全てを4D映像探査をするね』
PeJは任務を与えられて喜んでいる。
『円盤型小型偵察艦の艦隊は一度しか反撃できかった。
今後、奴らは逃げるだけか?』
前田班長(G、ガル・ヘクトスター)は不思議に思っている。
『火星で、反撃の機会を作るはずです。その前に、火星の遺跡を破壊します。
PeJ。4D映像探査をお願いします』
PDがPeJに指示した。
『了解。4D探査映像が出たよ~』
ISS-BS1のコントロールデッキの空間に火星の遺跡が現れた。
スキップ(亜空間移動)した円盤型小型偵察艦(100 m)がすでに遺跡に着陸している。トカゲとフェルミが廃墟をどのように再建するか不明だ。
『隕石を転送スキップ(時空間転送)する』
PDの精神波が伝わると同時に、4D探査映像に大量の小天体が現われた。
円盤型小型偵察艦は一瞬に膨張して、ただちにヒッグス場の塊となって遺跡を巻きこんで消滅した。
『これで、レプティリアもマコンダもフェルミも消えたね』
PeJがそう伝えた。
PDが伝えた。
『まだ月面のどこかにレプティリアがいます。注意してください。
思考記憶探査でレプティリアの精神を感知できるが、従来の4D映像探査でレプティリアを探査できません』
その時、ISS-BS1の艦体が震動した。
『PD、なんだ?調べてくれ』
鮫島京香(J)は震動が気になった?
『了解しました・・・。
SS-BS1の艦体に円盤型小型偵察艦がへばりついています。
まだ、ISS-BS1はフェルミ艦隊をレールガンで攻撃した後、攻撃態勢を維持したままです。いつ接艦したか、波動残渣を調べます・・・。
PeJ、波動残渣を4D映像探査してください』
PDがPeJに指示した。
『了解・・・。探査映像が出たよ』
コントロールデッキに波動残渣の4D探査映像が現われた。
ISS-BS1が円盤型小型偵察艦の艦隊から小天体の亜空間スキップ攻撃を受けた瞬間、PDが小天体を時空スキップ攻撃して、円盤型小型偵察艦からの小天体亜空間スキップ攻撃を回避した時、亜空間に開いた僅かな多重位相反転シールド間隙を縫って、円盤型小型偵察艦の一隻がISS-BS1の艦底にスキップ(亜空間移動)していた。
ISS-BS1の艦底に貼りついた円盤型小型偵察艦などいくらでも太陽(恒星ヘリオス)に転送スキップ(時空間転送)できる。だが、PDはそうしなかった。
『4D映像探査で思考記憶探査もしたよ』
PeJが円盤型小型偵察艦のクールの思考を4D映像化した。
『今はおとなしく、ここのままでいろ。いずれ、この戦艦はどこかに着陸するはすだ』
女帝リズがアーサー・ブリット大佐に指示した。円盤型小型偵察艦に搭乗しているのは女帝と大佐だけだ。
『いい考えがある。コントロールポッドから出るな。コントロールポッドは救命ポッドで小型飛行艇だ。このヒューマの戦艦〈ヒューム〉を破壊して我らはコントロールポッドで惑星アーズ(火星)へ逃げる。準備しろ』
ISS-BS1のコントロールデッキでPDが緊急指示した。
『緊急指令!
クルーはバトルアーマーとコントロールポッドのシールドを張れ!
レプティリアは自分たちのポッドのスキップと同時に円盤型小型偵察艦のPDドライブ(プロミドン推進装置)を破壊する気だ!』
PDの指示で、クルーが装着している各自のバトルアーマーと、搭乗しているコントロールポッドのに多重位相反転シールドを強化すると同時に、PDはISS-BS1の多重位相反転シールドを強化した。
その瞬間、ISS-BS1の艦体が大きく震動してISS-BS1の艦体が艦底中央から、ヒッグス粒子のエネルギー場・ヒッグス場に飲みこまれていった。
(ⅩⅣ Another Universe 太陽系の侵略者③ 月面の攻防 了)
月面での一回目のISS-BS1のフェルミ艦隊攻撃が終了し、イングランドのストーンヘンジの地下に待機していたレプティリアの宇宙戦艦が消滅した。
ISS-BS1は、月面から高度110kmの円軌道を月の南極から北極方向に月の裏から表へ3.07km/secで航行している。3779.05秒、約63分で月を一周する。
ISS-BS1がフェルミ艦隊をレールガン攻撃したのは二〇一三時だ。
突然PeJが言った。
『緊急連絡!各国でレプティリアが不審死してる!
原因は、小天体が各地に出現したせいだ!
誰かか、レプティリアの居留地域に小天体を転送スキップ(時空間転送)したんだよ!』
『誰がそんな事をした?目的は何だ?』
鮫島京香(J)が驚いて聞き返した。した。
鮫島(J)の問いにPDが答える。
『クラリスが地球のレプティリア撲滅に協力しました。
これで、地球からレプティリアとフェルミが消滅しました。残るのはエイプです。
レプティリアが死滅したため、レプティリアが意識内進入していたフェルミの精神と意識が消え、さらにエイプに意識内進入していたフェルミの精神と意識が消えました。
レプティリアはフェルミを通じて、エイプに精神と意識に潜在していた支配欲と独占欲を引き出してコントロールしていましたが、レプティリアが死滅したため、エイプの支配欲と独占欲は解放され、エイプは独裁者に変貌しつつあります。
地球のレプティリアとフェルミは壊滅しました。
地球のエイプはクラリスと茶居玲香と軽部平太に任せ、皆さんはフェルミ艦隊を完全に消滅してください』
『フェルミ艦隊は壊滅してないのか?』
吉永指揮官(C)は驚いた。
『月面に着陸していたフェルミ艦隊は壊滅しました。
新たなフェルミ艦隊が見えてきますよ』
フェルミ艦隊が着陸していたクレーターが地平線の彼方に見えてきた。
4D探査映像に新たな艦隊が現われてターゲットマークが現われた。艦隊はフェルミ艦隊ではなかった。円盤型小型偵察艦による小規模の艦体から成る艦隊だった。
『あれは何だ?』
レールガンのターゲットスコープロックオン4D映像を見て、鮫島京香(J)がPDに訊いた。
まだ、ISS-BS1はフェルミ艦隊をレールガンで攻撃した後、攻撃態勢を維持したままだ。
『新たな艦隊は、フェルミ艦隊に搭載していた円盤型小型偵察艦です。地球に留まっていた主要なレプティリアとフェルミとエイプが地球からスキップ(亜空間移動)して非難したようです』
フェルミ艦隊が搭載していた円盤型小型偵察艦は20隻。大きさは50 mだ。その中に一隻だけ100 mの円盤型偵察艦がいる。
『PD!
奴らに、メテオライトを転送スキップ(時空間転送)してくれ!』
鮫島京香(J)が指示した。
メテオライト(隕石)の転送スキップ(時空間転送)攻撃で生ずるスキップ光を円盤型小型偵察艦20隻に気づかれても、艦隊のレプティリアとフェルミとエイプが壊滅すれば問題はない・・・。
その時、ブリッジの空間に現れている5D座標に、亜空間転移によるスキップ(亜空間転移)を示す、赤みを帯びた青白いチェレンコフ光が現れた。位置は火星の公転軌道と木星の公転軌道との間に存在する、小惑星帯の小天体だ。
一瞬、先を越された、との思考が鮫島京香(J)に湧くと同時に、PDが行動していた。
PDは一瞬に小天体のスキップ経路(亜空間転送経路)を割りだして、火星の公転軌道と木星の公転軌道の間に存在する小惑星帯の小天体を、亜空間転送経路へ転送スキップ(時空間転送)した。
亜空間で、ISS-BS1に向けてスキップ(亜空間転送)された小天体に、PDが転送スキップ(時空間転送)した小天体が衝突した。
『フェルミ艦隊の技術は、精神生命体ニオブが渦巻銀河メシウスのアマラス星系、惑星ロシモントを離れた当時のまま、スキップは亜空間転移のままです。
従って、亜空間転送と時空間転送に差が出ます。
どんなに何を亜空間転送スキップしても、時空間転送スキップより時間がかかりますよ。
それと新たな艦隊がスキップ(亜空間転移)しました。亜空間にいる艦隊に小天体を転送スキップ(時空間転送)しました』
そう伝えてPDが5D座標の亜空間をコントロールデッキの空間に4D探査映像化した。
亜空間を20隻の円盤型小型偵察艦が一塊になって移動した瞬間、円盤型小型偵察艦の一塊の時空間に、小天体の群の時空間が重なり、その瞬間、円盤型小型偵察艦の一塊がヒッグス粒子となって消滅した。
小天体が円盤型小型偵察艦のスキップドライブ(亜空間移動推進装置)我破壊したのである。
『PD。波動残渣を確認してくれ』
鮫島京香(J)は20隻の円盤型小型偵察艦が全て消滅したか、確認したかった。
PDは円盤型小型偵察艦20隻の消滅過程を波動残渣から微速度で再現4D探査映像化した。
『これはいったい?』
PDが円盤型小型偵察艦の一塊の中心を示した。
『逃げられたぞ!』
吉永指揮官(C カムト・ヘクトスター)が円盤型小型偵察艦20隻の消滅する瞬間を示した。周囲を囲んだ19隻の偵察艦が消滅する一瞬前、大きさ100mの円盤型小型偵察艦がスキップ(亜空間移動)している。
『どこへ行った?』と前田班長(G、ガル・ヘクトスター)。
『惑星アーズ、火星です。火星にプロミドンと攻撃艦〈ニフト〉が格納されていると考えているのです』
『精神生命体ニオブのクラリック階級が奪った特別攻撃艦〈フォークナ〉3隻と搬送艦16隻は、火星から回収して月に格納したぞ』
吉永指揮官が、精神共棲しているニューロイドのC、カムト・ヘクトスターの記憶を確認した。
『太古の昔、精神生命体ニオブのクラリック階級が火星のプロミドンを利用して火星をテラフォーミングするため、へリオス艦隊から特別攻撃艦〈フォークナ〉3隻と搬送艦16隻を奪って火星へ逃亡しましたが、失敗しました。
その後、Cたちニューロイドのトムソ(ニオブの特殊部隊戦闘員)が、火星の特別攻撃艦〈フォークナ〉3隻と搬送艦16隻とプロミドンを回収して、月に格納しました。
円盤型小型偵察艦のレプティリアとフェルミは、精神生命体ニオブのクラリック階級が築いた火星の遺跡を改築する気です』
『4D映像探査できるか?』と吉永指揮官(C カムト・ヘクトスター)
『探査してみましょう。ついでに思考記憶探査もしましょう。
PeJ。専属4D映像探査担当して下さい』
『ラジャー。これからは、全てを4D映像探査をするね』
PeJは任務を与えられて喜んでいる。
『円盤型小型偵察艦の艦隊は一度しか反撃できかった。
今後、奴らは逃げるだけか?』
前田班長(G、ガル・ヘクトスター)は不思議に思っている。
『火星で、反撃の機会を作るはずです。その前に、火星の遺跡を破壊します。
PeJ。4D映像探査をお願いします』
PDがPeJに指示した。
『了解。4D探査映像が出たよ~』
ISS-BS1のコントロールデッキの空間に火星の遺跡が現れた。
スキップ(亜空間移動)した円盤型小型偵察艦(100 m)がすでに遺跡に着陸している。トカゲとフェルミが廃墟をどのように再建するか不明だ。
『隕石を転送スキップ(時空間転送)する』
PDの精神波が伝わると同時に、4D探査映像に大量の小天体が現われた。
円盤型小型偵察艦は一瞬に膨張して、ただちにヒッグス場の塊となって遺跡を巻きこんで消滅した。
『これで、レプティリアもマコンダもフェルミも消えたね』
PeJがそう伝えた。
PDが伝えた。
『まだ月面のどこかにレプティリアがいます。注意してください。
思考記憶探査でレプティリアの精神を感知できるが、従来の4D映像探査でレプティリアを探査できません』
その時、ISS-BS1の艦体が震動した。
『PD、なんだ?調べてくれ』
鮫島京香(J)は震動が気になった?
『了解しました・・・。
SS-BS1の艦体に円盤型小型偵察艦がへばりついています。
まだ、ISS-BS1はフェルミ艦隊をレールガンで攻撃した後、攻撃態勢を維持したままです。いつ接艦したか、波動残渣を調べます・・・。
PeJ、波動残渣を4D映像探査してください』
PDがPeJに指示した。
『了解・・・。探査映像が出たよ』
コントロールデッキに波動残渣の4D探査映像が現われた。
ISS-BS1が円盤型小型偵察艦の艦隊から小天体の亜空間スキップ攻撃を受けた瞬間、PDが小天体を時空スキップ攻撃して、円盤型小型偵察艦からの小天体亜空間スキップ攻撃を回避した時、亜空間に開いた僅かな多重位相反転シールド間隙を縫って、円盤型小型偵察艦の一隻がISS-BS1の艦底にスキップ(亜空間移動)していた。
ISS-BS1の艦底に貼りついた円盤型小型偵察艦などいくらでも太陽(恒星ヘリオス)に転送スキップ(時空間転送)できる。だが、PDはそうしなかった。
『4D映像探査で思考記憶探査もしたよ』
PeJが円盤型小型偵察艦のクールの思考を4D映像化した。
『今はおとなしく、ここのままでいろ。いずれ、この戦艦はどこかに着陸するはすだ』
女帝リズがアーサー・ブリット大佐に指示した。円盤型小型偵察艦に搭乗しているのは女帝と大佐だけだ。
『いい考えがある。コントロールポッドから出るな。コントロールポッドは救命ポッドで小型飛行艇だ。このヒューマの戦艦〈ヒューム〉を破壊して我らはコントロールポッドで惑星アーズ(火星)へ逃げる。準備しろ』
ISS-BS1のコントロールデッキでPDが緊急指示した。
『緊急指令!
クルーはバトルアーマーとコントロールポッドのシールドを張れ!
レプティリアは自分たちのポッドのスキップと同時に円盤型小型偵察艦のPDドライブ(プロミドン推進装置)を破壊する気だ!』
PDの指示で、クルーが装着している各自のバトルアーマーと、搭乗しているコントロールポッドのに多重位相反転シールドを強化すると同時に、PDはISS-BS1の多重位相反転シールドを強化した。
その瞬間、ISS-BS1の艦体が大きく震動してISS-BS1の艦体が艦底中央から、ヒッグス粒子のエネルギー場・ヒッグス場に飲みこまれていった。
(ⅩⅣ Another Universe 太陽系の侵略者③ 月面の攻防 了)