第1話 産まれたてホヤホヤ

文字数 564文字

後少しで、下界へと放出される・・・
下界とはお母さんのお腹の外のことらしい。

救急車のサイレンが聞こえてきた時、
『胎盤からの出方』というトリセツを臍の緒経由で送られてきた。
宛先は無い。

このトリセツに“下界のこと”や“胎盤からの上手な出方”、“出た後の行動"(出たら泣かないといけないらしい、、、)が細かく指示されていた。
我々赤ちゃんも胎盤から出る前・出た後まで結構大変なものだ、、、
出る前には臍の緒からしっかり栄養を蓄えて、気合を入れていくぞ!!!!!!!

トリセツを読んでどのくらい経っただろうか。
少し明るい場所がある。トリセツにはそこ目掛けてモゾモゾするといいらしい。
やってみるか。
モゾモゾモゾモゾ、、、、
少し明かりが大きくなった。休憩しよ。産まれるって大変、、、
か弱い赤ちゃんにこんなことさせるなんて、、、

モゾモゾモゾモゾ、、、
モゾモゾ、、、
モゾ、、、!!!!!!

ものすごい明るくなった!!!
次は、、、っと。
大きな声で泣くんだった。

うぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!、、、、じゃなかった。
オンぎゃー!!!!!

もう十分泣いたよね?もういいよね?
大変なことさせやがって!

こうして僕、辻村家三男、辻村泰(つじむらやすし)が爆誕した。

どんな人生にしよっかな。赤ちゃん友達できるかな。隣の赤ちゃんは良い子かな。
ま、とりあえず寝るか。

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