第6話 幼稚園生のぐち

文字数 932文字

僕は今年の4月から幼稚園に行っている。

昨年まで通っていた保育園との違いは何だろう。
あまり無いかな。赤ちゃんがいないことと、遊びも少し変わったことぐらい。
来年からは小学生になる。保育園、幼稚園、小学校と1年ずつ通う場所が変わっていく。
お母さんたちは1年短いというけど、僕には1年は長く感じる。
でも、いちいちお別れの会とかする意味あるのかな。
1年があっという間って言っている大人が節目なんだからという理由で、お別れの会をする。
僕たちからすると、やらされているだけなんだよな。
むしろ、当日はお洋服やら、写真やら、歌を歌うやらでちょっとめんどくさい。
大人の都合に合わせて僕ら子供を使うのはやめて!!!と言いたくなる。

でも、もちろんそんなことは言えない。
だってお母さん、お父さんが喜ぶ顔が好きだから。それに、こんなことを言ったら怒られちゃう。
だからこうやって心の中だけに留めておく。

もうひとつ思うことがある。僕のお母さんやお父さんは同じことを子供の時に思わなかったのかな?ということ。お母さんお父さんも子供の頃に同じような経験をしていると思うのに、自分の子供に対して、同じことをしてしまうのはどうしてだろう。
忘れているわけではないと思う。
でも、自分がやりたいことを優先して、子供の頃に思っていた気持ちは棚に上げているのかな。
それとも考えないように、思い出さないようにしてるとかかな。

お父さんやお母さんは良く「お友達のことを考えないといけないよ。」とか「自分がされて嫌なことはやっちゃいけないよ。」とかって言う。でも、僕からしたらお父さんやお母さんが自分が言った言葉を実践してると思えない事が時々ある。
例えば、お母さんは良くお母さんの友達に対して、幼稚園の先生のここが良く無いとか、もう少しこうしてくれればいいのにね、とか言っている(これを陰口って言うことを最近知った)。でも、先生にはそんなこと言わない。僕がもし、自分の友達とかに陰口を言われているのを知ったら、すごいショックを受ける。
「自分がされて嫌なことはやっちゃいけないよ。」
大人は守らなくていいのかな。大人はそんなに偉いの。
子供に言っていることを大人はしなくていいの。
大人ってそんな人ばかりなのかな。ちょっと嫌だな。

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