第3話 死なない金魚
文字数 433文字
真夜中に目覚め、腹の奥から沸騰してくる呪詛を叫びたくなる時がある。
忘れることはなくても薄れていると勘違いしていたものが、長い年月の間に濃縮され、日々の時間の底に澱のように溜まっては、全てを支配していることに気づく。
喉がヒリヒリする。空っぽの胃の中に鉛の塊が居座っている。手当たり次第に食べ大量に水を飲んで指を突っ込んで吐く。
残渣物の中に吐き出したい憎しみは入っていない。排水溝に流されていく安息を何の感情もなく見送るだけだ。
それはじわじわと蝕んでいく毒薬を盛られたようなもの。決して罰せられることのない加害者は今でものうのうと生きているだろう。
多分……。
いつまで経っても死なない金魚のようだ。
同時期にもらったやつはとっくに死んだのに、最後の一匹だけがいつまでも残っている。
餓死させるわけにもいかず仕方なく餌を与えられ、その気まぐれだけに頼ってそいつは生きている。
感情のない目を見開いたまま、惰性を絵に描いたように仕方なく生きている。
それが私だ。
忘れることはなくても薄れていると勘違いしていたものが、長い年月の間に濃縮され、日々の時間の底に澱のように溜まっては、全てを支配していることに気づく。
喉がヒリヒリする。空っぽの胃の中に鉛の塊が居座っている。手当たり次第に食べ大量に水を飲んで指を突っ込んで吐く。
残渣物の中に吐き出したい憎しみは入っていない。排水溝に流されていく安息を何の感情もなく見送るだけだ。
それはじわじわと蝕んでいく毒薬を盛られたようなもの。決して罰せられることのない加害者は今でものうのうと生きているだろう。
多分……。
いつまで経っても死なない金魚のようだ。
同時期にもらったやつはとっくに死んだのに、最後の一匹だけがいつまでも残っている。
餓死させるわけにもいかず仕方なく餌を与えられ、その気まぐれだけに頼ってそいつは生きている。
感情のない目を見開いたまま、惰性を絵に描いたように仕方なく生きている。
それが私だ。