第17話
文字数 453文字
スピンオフ篇#冷蔵庫1
その年の6月から半年くらいの間、わたしの周りでは、というよりわたしの中では、信じられないコトが起きていた。
人生は冷蔵庫に支配されている、と、しばらく前に付き合っていた彼氏が言っていた。人間の消化器と脳は繋がっていて、腸内環境は、人の好みや行動にも影響すると。
わたしは男くらいは自分の足で見つけられると思っていたので、たとえ人数合わせでも合コンには絶対に行かない。
でもその時のわたしは、合コンに来てと頼まれると、あっさり「いいよ」と答えていた。ちょうどウチの冷蔵庫が故障しかけて、修理か買い替えか親がもめていた時だった。
呼ばれて行った合コンは、男4人女4人で、向かいに座った男に、
「今日はどうして来たの?」
と投げてみると、
「いつも奥で仕事をしているので、女性と会う機会が少なくて」
と返してきた。
ボソボソ話すわりにはよく通る声なのか、騒がしい店の中でもことばが聞き取りやすかった。
全く好みではない「シャイなシティーボーイ風」のコイツが、実はなかなかのクセモノだったのだ。
その年の6月から半年くらいの間、わたしの周りでは、というよりわたしの中では、信じられないコトが起きていた。
人生は冷蔵庫に支配されている、と、しばらく前に付き合っていた彼氏が言っていた。人間の消化器と脳は繋がっていて、腸内環境は、人の好みや行動にも影響すると。
わたしは男くらいは自分の足で見つけられると思っていたので、たとえ人数合わせでも合コンには絶対に行かない。
でもその時のわたしは、合コンに来てと頼まれると、あっさり「いいよ」と答えていた。ちょうどウチの冷蔵庫が故障しかけて、修理か買い替えか親がもめていた時だった。
呼ばれて行った合コンは、男4人女4人で、向かいに座った男に、
「今日はどうして来たの?」
と投げてみると、
「いつも奥で仕事をしているので、女性と会う機会が少なくて」
と返してきた。
ボソボソ話すわりにはよく通る声なのか、騒がしい店の中でもことばが聞き取りやすかった。
全く好みではない「シャイなシティーボーイ風」のコイツが、実はなかなかのクセモノだったのだ。