第4話

文字数 392文字

 ハルです。

 ケンは「まにあったぜ、オレたち!」と言っていたけれど、その後もオレたちは、順調にパフォーマンスを続けた。

 無事大学の履修登録も済ませ、週イチのクラブ出演も、まずまずうまくいっている。

 そんな中、少しづつ蒸し暑くなってきた頃、見慣れない大人が3人、美少女をガン見していた。
 いや、注目していた。
 3人のうちのひとりは、何度か見た顔だ。

「ビジュアルが最高」
「温かみのある声がいい」
「多くの人に愛される素質がある」

 など、パフォーマンスが終わった美少女を取り囲むようにして、甘いことばを連呼する。

 芸能事務所のスカウトだ。

 あまりの手際の良さに、オレたちは、美少女を囲むのも忘れてぼんやり脇に立っていた。
 そのうち、一番身分の低そうなヤツが、オレたちをチラ見してこう言った。

「君たちの良いところは、身長と髪の色が揃っているところだ」

 オイオイ、何だソレ。
 どーする?オレたち。
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