第10話

文字数 349文字

 サナです。

 楽曲もできて、わたしたちは猛練習した。
 プロデューサーからの注文も多くて、プロになるっていうのはこういうことなのかと、全員が思い知った。

 とにかくココまできたらやるしかない。
 できないは許されない。

 わたしの衣装は、キャミソールにちょっとだけ袖がついたくらいのトップスに、ふんわりしたスカート。どっちもバンドのイメージカラー。

 みんなは黒のジャケットに細身のパンツ。
 ジャケットの長さが、少しづつ違ってる。
 裏地はわたしの衣装と同じ色で、柔らかめの生地だから、動くたびに裏地が見える。

 ステージに出る時は、全員シルバー系のネックレスをするらしい。

 わたしたち、ホントにデビューするんだね。
 
 事務所が勝手につけたバンド名に、みんな苦い顔をしてたけれど、わたしは悪くない名前だと思うよ。
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