第6話

文字数 468文字

深夜3時過ぎ、堀木は自分の腕の中で眠るたかひろの寝顔を見つめながら、彼の気持ちにどう答えるべきか思い悩んでいた。

好きだからしてるに決まっている、という彼の言葉が重くのしかかる。

今晩、彼にせがまれるまま、とうとう最後まで抱いてしまったものの、やはり自分は男を愛することはできないと思っていた。

俺は友人としてこいつを大事にしたいだけ。

思い返せば、半年前のあの日の晩からこいつの態度が変わった。

あの晩、冷たくあしらったにも関わらず、毎週のように訪ねてきては苦しそうにせがんでくる。

そのうち、だんだん放っておけなくなって、彼のせがむままにずるずると関係を持つようになってしまった。

今更、彼を拒絶する術などある筈もない。

優柔不断な俺が悪い。

彼の気持ちにもっと真剣に向き合うべきだったのに。

そうすれば、彼に心無い言葉を投げかけて傷つけることもなかっただろう。

堀木は答えを導き出すことができぬまま、眠れぬ夜を過ごした。

夜がこんなにも長いなんて。

明日はたかひろに自分の気持ちを伝えなければならない。

そう考えているうちに、少しずつ、空が明るくなってきた。


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