第2話 人を楽しませていた高校時代

文字数 1,452文字


  
ディズニーストアのキャストをやる前の、僕の高校時代は、常に人を楽しませていた。元々の性格などが「面白い」「楽しい」というのもそうではあるが、何かをやることで人が喜んでくれたり、楽しんでくれるなどの感覚は今でも忘れられないものにもなっている。ディズニーストア時代にキャストになって働き、商品を売ることに苦戦はしていたものの、常に人を「楽しませる」という部分はむしろ得意でもあった。自分の中で、記憶として思い出に残っているのは、東京ディズニーシーの当時のアトラクションであったストームライダー(2015年にクローズし、現在ニモ&シーライダーとなっている。)というアトラクションのキャストのセリフやタワーオブテラーというアトラクションのセリフなどをキャストのように言って、同級生たちを盛り上げていたことなどであった。これを少しだけ説明すると、シアター型アトラクションに乗る前にゲストは、キャストのアトラクションについての説明を聞いて、その後に、アトラクションに乗車する。そのようなセリフを言うなどのパフォーマンスをよく高校の時にやっていた。このアトラクションを知っている同級生はもちろん共感性が高いが、知らない同級生たちも同様にこのパフォーマンスを楽しんでいた。高校時代に、こういう形で人を楽しませ、授業でも盛り上げることもしていた。自分が楽しくすれば、人が楽しんでくれる、喜んでくれるというのを近くで感じ、人を楽しくさせていきたいという気持ちが高まっていった。この頃から、人と接することに醍醐味も覚えていった。授業など、人前で何かをするということは緊張するものの、自分の考えや内容を聞いて、その聞いている人たちに届けることはこれからも大切であると感じていたので、忘れないようにしていた。目の前にいる人たちが悲しい顔をしている時も、自分がまずは楽しくテンションを上げながら、楽しくするようにしていた。高校の時に、学校という場所がつまらないと思っていた同級生の友人が一人いて、普段から退屈にしていた。授業は真面目に受けるものの、学校の惰性にマンネリ化を感じていた。そんな彼に僕は、得意なストームライダーのアトラクションキャストのセリフやタワーオブテラーのアトラクションキャストのセリフを言い、とにかく彼を励ましていた。僕がやったこのアトラクションキャストのセリフで、彼は元気になっていった。人前で発表するような機会だけではなく、普段から人を楽しませるように努めることだとも思った。ディズニーが好きだった自分は、キャストがゲストに夢や希望を届けるように、周りの人たちに「喜ばせる」「楽しませる」という夢と希望を届けていった。周りにいる人たちを楽しませるだけではなく、自らが楽しもうという気持ちを持つことだとも感じていた。エンターテイメントを創ることってこういう小さなことから始まるとも自分の中で実感した。高校時代に多くの人を楽しませていた僕の夢はディズニーキャストであった、今でも楽しい思い出が残っている。今思い返すと、高校時代の経験が大人になっても役に立った。仕事という概念に縛られて、やりたいことなどが見いだせない人も中にはいた。そんな時、仕事をしている人たちとたくさん話した時に、「君は本当に面白いね」という言葉をかけていただいた。その一言などでモチベーションにもつながった。人 を楽しませるという武器は持ったものの、この時は、まだ商品を売ることに苦戦するということはまだ自分でもよく知らなかった。
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