ファンシーショップふぶき・4
文字数 2,871文字
昨日の面接から一夜明け、私は今日からここ葛城企画で働く事になりました。面接はイージーでしたよ。どうせあまり期待してなかった会社なので、テキトーにボルシチの作り方とか応えてたらそれを面接官の方が痛く気に入って下さいまして、即採用。今日から勤務と言う形になりました。
ジョン課長の部署に配属され、朝礼で自己紹介をさせられています。
ジョンの身替わりの速さだけは感心します。
それもこれも専務の躾けが行き届いているが故、いつ、いかなる時も順応する様に脳みそが改造されているからでしょう。
ジョン課長は噴火しそうな顔で噴火しちゃいけない部分を両手で必死に抑え、奇妙な走り方でトイレへと駆け込みに参られました様子。
と、ひょっこり廊下から顔だけ出して付け足す様に言いました。
このおっさんはご機嫌取り一本で生きてるのは確かだが、相当嫌われてる。命の危険さえあるイジメなのにしぶとく生き抜いてるなぁ…
ある意味感心する。抵抗性ゴキブリみたいなもの。
それが藤屋京衛門ジョン課長。
さて、私は何をするべきでしょう?
いざ置いてきぼりとなると何から聞いていいのか、掃除でもしてたらいいのか分かりませんね。
…
絵に書いた様に独り…
すごく緊張しますね、出来るなら会議とやらが終わるまで電話が鳴らない事を祈ります…
マニュアルとかは無いのですかね?
…緩い…緩すぎる新人教育…
今更ながら適当過ぎやしませんか?
この会社大丈夫か⁉︎
神様お願いします…電話、鳴りません様に…
プルルルル!
プルルルル!
ふふふっ…知ってましたよ?どうも神様は私が大嫌いだと言う事を…ふふ…ふふふっ
プルルルル!
プルルルル!
プルプルプルプルうるせえよ!こんにゃくかテメェは!
プルルルル!
プルルルル!
…後3コール以内に電話切れたら私はナイスバデー…
プルルルル!
プルルルル!
プルルルル!
プルルルル!
プルルルル!
ですよね~。
「分かりました!出ます!出ますとも!わ~緊張する~!」
ガチャ