帰省

文字数 388文字

 久しぶりに故郷(くに)に帰ってきた。
 まだ崩御もされていないのに、何時(いつ)の間にか元号が変わっていて驚いた。
 そして残暑があまりにも厳しい。

 こうも暑いのは炭酸ガスを出し過ぎているからだという。つまりは石油を燃やし過ぎたかららしい。この国はまだ戦争をやっているというのだろうか。
 世間は自動車で(あふ)れかえっている。これが今時の戦車というものなのであろう。世界各地に戦車を輸出して荒稼ぎをしているようである。しかるに石油という燃料を費消して炭酸ガスを出し続けている。
 この戦争では我が国はまだ敗勢だというわけでもないらしい。
 だがいずれ、資源に乏しい我が国は劣勢となり、エネルギーの革新によってまたもや敗北するのかもしれない。

 それにしても暑くて(かな)わぬ。さながら(こん)比べ、ガマン大会といったところか。

 我等(われら)が国民はまだ、お国のために突撃をしている。いずれ皆、我等のところにやって来るのだろう。
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