第33話

文字数 1,275文字

 僕は、敵の本陣を打ち崩そうとしたのだ。

 もし、壊滅させられたら、僕らの評判は鰻登りだ。今回、僕はそれを狙っていた。

 TIBI「SKY! やるなあ、もしかして敵の本陣を狙ってる?」

 SKY「うん、僕の狙いはあくまでギルドの勝利だよ」

 Dan「流石! SKYに任せておけば、本当にやっちゃうかもだから、頼りになるよね!」

 SIZUK「本陣を狙うと言っても、大量にプレイヤーが居るよ。どうするつもり?」

 SKY「ぶっちゃけ、何も考えてない。ただ、僕の魔法でやれるだけやれたらなって思ってる」

 SIZUK「まあ、SKYならやれるでしょ!」
 
 そうなのだ……今回、本陣に向かうとは言ったが、作戦は何も考えていない。捨て身のアタッカーの様なものだ。だけれど、僕の魔法でどこまでやれるか試して見たかった。

 ただ、良いところまではきっと行けるだろう。僕はそう確信していた。ランキング三位のギルドだろうが、プレイヤーのレベルを見た感じ、高レベルプレイヤーはそんなに居なかった。僕は事前にリサーチをしていたのだ。

 SKY「作戦は、各々のスターピープルで一気に本陣まで行って、僕の暴走魔法陣で敵の本陣を壊滅させる。これで行こうかと思う」

 Dan「いいんじゃない」

 TIBI「OK」

 SIZUK「一度、それで行ってみよう!」

 皆でスターピープルに乗馬する準備をする。僕らはこのスタート地点から味方の援護と同時に一気に突撃することにした。

 黒い馬が四頭揃うと、やはり圧巻だ。翼でも生えていたら、黒いペガサスみたいな感じになるのだろうか。それはそれで乗ってみたい。僕らはカウントダウンと同時にスタートした。

 四頭の馬が一気に前に駆け出す。敵が見えて来るが無視して前進する。案の定、魔法と弓がこちらを狙って来る。僕らはダメージを少し食らうが、敵の追撃を掻い潜り、突破する事に成功した。

 TIBI「ハアハア、敵の攻撃、きつかったね」

 Dan「本当、でもここまで来れば、もう大丈夫だよ」

 僕らは丘の小さな砦を占領していた。ここに居ればしばらくは大丈夫だ。弓がやはり厄介だった。今度から弓職は優先的に倒す事にしよう。

 SKY「ここで味方が来るのをしばらく待とう。合流したら一気に本陣に攻撃だよ!」

 一同「「アイアイサー」」

 でも、やはりスターピープルは活躍してくれた。この馬の最高速度は普通の馬の1.5倍はある。敵の追撃を楽々と逃れられる訳だ。そのお陰で僕らは悠々と丘で構えていられるのであった。

 この馬に感謝しないといけないなあ。スターピープルはヒヒーンと活躍できたことに、どことなく喜んでいる様子だ。

 TIBI「感慨に耽ってる場合!? もう味方がこっちに来てるよ!」

 SKY「おっと、そうだった。味方が合流次第、集団に紛れて本陣まで行きます! 敵に行動を悟られないように」

 味方がこちらに到着した。数を数えると八人程だ。他はやられてしまったのだろうか……。

 そして味方の部隊が本陣へと向かった。

 SKY「今だよ! 行きまーす!」

 一同「アイアイサー! リ―ダー!」

 頼んだよ、皆。
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