第3話
文字数 1,274文字
前々から不思議に思っていたことがある。高校一年のこのクラスで、他のクラスと違っていたことが一つだけあった。
それはこのクラスメイト全員がネットゲームをしていたということ。
それも一人一人がMMO RPGのベテランプレイヤーなのだ。
スマホでできるゲームだ。それはガチャに熱が籠る訳がわかる。
クラスメイト全員がスマホゲームに夢中になっているのだ。それもホウレンソウが徹底されていて、ゲーム内のギルドに所属していない生徒は一人もいない。
これを羨ましいと思うだろうか……?
実際は、強くなってガチャで良いキャラをゲットし、他のクラスメイトに自慢をしたいがために多数の生徒が高額の課金をしている。
僕なんかはお小遣いが少ないためにとてもじゃないがついていけていない。
アルバイトをしながら課金しているクラスメイトもいる。
……いつからこうなってしまったのだろう。
きっかけは、中学生時代に遡 る……。
「神矢君って、いつも何かスマホに夢中になっているねー、一体何をしているの?」
「あ、仏心ってゲームだよ。今流行りのソシャゲでオープンワールドのMMORPGなんだけれど、敵を倒して徳が貯まるとゲーム内で偉くなれるんだよ」
「へーー(一同)」
なんと、これだけなのだ。このネタの様なことがインフルエンサーとなって同級生に一気に広まってしまった。
コロナ禍であったことも響いて、このゲームは今現在までクラス中に溶け込んでしまっている。
羨ましいと思われるかはわからないがこの一件で実際は勉強はしないわ、貯金は全部使う生徒が続出するわでロクなことがない。外で集まったり家の中でみんなで遊ぶ時代はもう終わった。これからはネットの時代なのだ……。
僕はこのことを解決したかった。早く元通りのみんなに戻ってほしい。
そのためにこのミッションを絶対に達成しなくてはならない……。
みんな一人一人にオリジナルユニークスキルを身につけて欲しいのだ。
だが今朝のホームルームでの発言も虚しく、もうクラスではゲームの話になっている。
仕方なく僕も仏心の話に混ぜてもらう。
「中々良いキャラ出ないよなあー」
「まああれ、運かどれだけお金積むかだからな、早くお前もアルバイトしろよ」
「で、でも僕、予備校があるし……」
「ははは、お前予備校なんかよりみんなと集まってコミュニケーションでしょ! 早くしないとお前もこのビックウェーブに乗り遅れるぜ?」
……なんだよ、ビックウェーブって。
「大体、お前ら受験はどうするんだよ? いい加減に進路のことも考えないと、社会に出てやっていけないぞ?」
「大丈夫、大丈夫。まだ高校一年なんだから。明日のことは明日、頑張ればいいんだぜ♪」
……だめだこれは。
「お前も早く仏心にアクセスしろよ。ギルド内で今日も会議があるらしいぞ。どうも戦争が近いらしい。早くしないと間に合わないぜ」
「わかったよぉ……」
僕は情けない声を上げた。
そうして僕はスマホをポケットからゴソゴソと取り出すのであった。
目標までは果てしなく遠い……。僕は静かに祈ることだけしかできなかった。
それはこのクラスメイト全員がネットゲームをしていたということ。
それも一人一人がMMO RPGのベテランプレイヤーなのだ。
スマホでできるゲームだ。それはガチャに熱が籠る訳がわかる。
クラスメイト全員がスマホゲームに夢中になっているのだ。それもホウレンソウが徹底されていて、ゲーム内のギルドに所属していない生徒は一人もいない。
これを羨ましいと思うだろうか……?
実際は、強くなってガチャで良いキャラをゲットし、他のクラスメイトに自慢をしたいがために多数の生徒が高額の課金をしている。
僕なんかはお小遣いが少ないためにとてもじゃないがついていけていない。
アルバイトをしながら課金しているクラスメイトもいる。
……いつからこうなってしまったのだろう。
きっかけは、中学生時代に
「神矢君って、いつも何かスマホに夢中になっているねー、一体何をしているの?」
「あ、仏心ってゲームだよ。今流行りのソシャゲでオープンワールドのMMORPGなんだけれど、敵を倒して徳が貯まるとゲーム内で偉くなれるんだよ」
「へーー(一同)」
なんと、これだけなのだ。このネタの様なことがインフルエンサーとなって同級生に一気に広まってしまった。
コロナ禍であったことも響いて、このゲームは今現在までクラス中に溶け込んでしまっている。
羨ましいと思われるかはわからないがこの一件で実際は勉強はしないわ、貯金は全部使う生徒が続出するわでロクなことがない。外で集まったり家の中でみんなで遊ぶ時代はもう終わった。これからはネットの時代なのだ……。
僕はこのことを解決したかった。早く元通りのみんなに戻ってほしい。
そのためにこのミッションを絶対に達成しなくてはならない……。
みんな一人一人にオリジナルユニークスキルを身につけて欲しいのだ。
だが今朝のホームルームでの発言も虚しく、もうクラスではゲームの話になっている。
仕方なく僕も仏心の話に混ぜてもらう。
「中々良いキャラ出ないよなあー」
「まああれ、運かどれだけお金積むかだからな、早くお前もアルバイトしろよ」
「で、でも僕、予備校があるし……」
「ははは、お前予備校なんかよりみんなと集まってコミュニケーションでしょ! 早くしないとお前もこのビックウェーブに乗り遅れるぜ?」
……なんだよ、ビックウェーブって。
「大体、お前ら受験はどうするんだよ? いい加減に進路のことも考えないと、社会に出てやっていけないぞ?」
「大丈夫、大丈夫。まだ高校一年なんだから。明日のことは明日、頑張ればいいんだぜ♪」
……だめだこれは。
「お前も早く仏心にアクセスしろよ。ギルド内で今日も会議があるらしいぞ。どうも戦争が近いらしい。早くしないと間に合わないぜ」
「わかったよぉ……」
僕は情けない声を上げた。
そうして僕はスマホをポケットからゴソゴソと取り出すのであった。
目標までは果てしなく遠い……。僕は静かに祈ることだけしかできなかった。