第27話

文字数 1,284文字

 僕たちは念願だった、伝説の黒い馬。スターピープル全員分の捕獲に成功した。

 SKY「えへへ、やったね! 皆! これが伝説の馬、スターピープルだって」

 TIBI「いえーい!」

 SIZUK「頑張った甲斐があったね!」

 Dan「嬉しすぎ!」

 SKY「じゃあ……早速、乗ってみるよ」

 SIZUK「わくわく」

 僕は、乗り物メニューのティムアイコンを指でタッチする。出てきた、黒い馬のグラフィックが何とも格好いい。さて、呼び出してみることにしよう。

 ドロン。

 スターピープルが目の前に現れた。す、凄い。格好よすぎて……まるで、新しい車を選んだ時の様な気分になる。……僕は車にはまだ乗れないんだけどね。

 では、お邪魔します。スターピープル、これから宜しくね。

 タッタッタ。

 助走を付けて走ってみた。速い、速すぎる。軽快なアクションも試してみた。ジャンプコマンドをタップする。

 ヒヒーン。

 バッと、勢いよく四本足で一メートルは飛んだ。こんなに高く飛べる馬は多分、このスターピープルだけなのだろう。

 SKY「す、凄いよ、この馬は一生物だよ。戦争でも活躍してくれそうで嬉しすぎる」

 TIBI「すげー、俺も乗ってみよう」

 SIZUK「私も!」

 次々と、皆が黒い馬に乗馬する。

  タッタッタ。

 皆、大喜びでダッシュを繰り返している。うう……苦労した甲斐があったなあ。

 Dan「名前も変えられるみたいだよ、何にしようかなあ、そうだ。僕の馬はナイトメアにしよう」

 SIZUK「じゃあ、私はプリンセスノヴァ!」

 TIBI「僕は、とりあえずスターピープルのままでいいや。後でゆっくり考えるね」

 SKY「じゃあ、僕はガイアブレスにするよ」

 この馬は攻撃こそできないが、突進によって上手くすれば、相手にダメージを与えられる。最高速度で衝突した相手は一溜まりもないだろう。

 SIZUK「えへへ、格好いい!」

 皆、満足してくれたらしい。このクエストを受けて良かった。僕は、心からの満面の笑みを浮かべるのであった。

 ダダダダダ。

 僕たちは、みんなで競争をしていた。その黒いフォルム四頭が、駆け回る姿は、伝説の名に相応しく、まさに圧巻だった。

 これで、戦争が更に楽しみになった。次は皆の上級装備でもクエストで揃えて置こう。僕は、とりあえずガチャで当たった、装備を皆に渡すことにした。

 TIBI「え! いいの!? こんな良い装備……。僕には勿体ないんじゃあ」

 SKY「いいんだ、取って置いてくれよ。伝説のクエスト装備はこれよりもっと強いんだ。その為の仮装備ということにしておいて」

 SIZUK「SKY! ありがとう!」

 Dan「いいなあ、僕にもくれるの?」

 SKY「もちろん! Danにも用意してあるよ」

 これで、YUUKIさえ、アクセスしてくれたら、完璧なんだ……。僕はまたいつかこのクエストに挑戦しようと思った。YUUKIも含めて、五頭のスターピープルが戦場を駆け巡るまで、僕はその日を夢みていた。

 戦争まで、残り五日。

 絶対にこのメンバーで活躍するんだ。僕は、この四人が戦場でいつか、主役になる姿を想像した。
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