第24話

文字数 1,354文字

 僕は久しぶりにパーティメンバーと、仏心で狩りをした。

 お馴染みの狩り場で周辺のMOBをどんどんと狩っていく。完凸させたキャラのおかげで効率性は抜群だった。

 TIBI「SKYのお陰で狩りが断トツ安定したよ。いやあ、これなら、この鯖最強も近いんじゃないの?」

 SIZUK「うん、間違いなく最強だね」

 SKY「この調子でパーティレベル上げて行こう。僕の目標はあくまでも皆を幹部にすることなんだからね」

 Dan「はいはい」

 目標のモンスターに向けて、イグニスを放つ。
 
 5169、5531、5372……。
 
 相変わらずダメージ数値が飛んでいる。前よりレベルが上がった分、イグニス単体での魔法が強くなっていた。

 これなら、次の戦争でも期待できるかも知れない。

 SKY「そういえば、次の戦争で活躍できれば、僕はリーダーに昇格できるみたいだよ、頑張らないとな」

 SIZUK「そっかあ、SKYも遂に昇進だね」

 そう、やっとリーダーだ。まさかキャラを完凸させただけでリーダー職になれるとは思わなかった。地道に徳を積み上げて来た甲斐がある。

 TIBI「そういえば、一次転職が近いね。SKYは一体、JOBは何にするつもりなの?」

 JOBとは職業の略だった。一次転職すると、やっと僕も上級職になれる。今は魔道士だが、転職すると、上級魔法を覚えられることになる。

 SKY「ソーサラーかな? 二次転職の、アークメイジを目指したいから、それにする予定」

 SIZUK「アークメイジかあ、もしなれたらギルド最強だね、確か、まだ誰もなったことがないJOBでしょ?」

 SKY「そうそう、最上級魔法のプリズン魔法を覚えられるんだ。プリズンっていうのは牢獄って意味なんだけど、相手を黒い炎で閉じ込める特殊魔法を覚えたいんだよね」

 TIBI「それを覚えられたら、もう敵はいないんじゃない? いいなあ……」

 Dan「格好よすぎ!」

 なんか、モチベが上がって来た。強い魔法を覚えようとすると、テンションが上がるから不思議だ。

 SKY「狩りもいいんだけどさ、戦争での乗り物にも拘りたいよね。戦争まで一週間あるから、特殊クエストを受けてみないかい?」

 Dan「それってどんなクエスト?」

 SKY「ティムクエストって言って、野生の馬を手懐けるクエなんだけど、ある孤島に、黒い馬がいるんだよね。それを捕まえるクエかな? 伝説級に難易度高いんだけどね」

 SIZUK「レベルは大丈夫?」

 SKY「正直言って、格上のクエだけれど、捕まえられたら戦争で大いに目立つと思うよ。スピードも最速だし、レア指数はMAXかな? 限定クエで一ヶ月に一度しかやらないから、この際、チャレンジしようかと思って」

 Dan「いいね!」

 僕は、黒い馬に強い憧れがあった。よく白馬の王子様とかいう単語があるが、黒い馬の方が格好いいと思うのだ。何というか、威厳があるし、戦争でも相手が怖がってくれる気がした。

 TIBI「ちょっとずつ、身なりも格好よくできるといいねえ」

 SIZUK「私はよく分からない世界だけど、やってみてもいいよ」

 SKY「よし、決まりだ。クエストは明日にあるから皆でまた、この時間に集まろう」

 一同「「OK! リーダー!」」

 そして、次の日、僕らは孤島クエストに挑戦していた。
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