マリオペイント(ハエたたき)
文字数 1,132文字
マリオペイント。スーパーファミコン初のマウス専用ソフト。マウスを使ってお絵かきやアニメーション作成やサウンドコラージュを楽しめるソフト。家庭にまだそれほどパソコンが普及していなかった時代に、ゲーム機で気軽にデジタルお絵かきを楽しめた画期的なソフト。らしい。
らしい、というのは、自分はほとんどお絵かき機能を使わなかったからだ。せいぜいマリオのイラストに色を塗ってみたくらいだ。だからその利便性や革新性についてどうこう言える資格はない。このソフトのポテンシャルをほとんど生かしきれていない。豚に真珠、子どもにマリオペイント。もちろん、創造性のある子どもなら、マリオペイントを上手く活用してものづくりに励んだことだろう。自分は創造性のある子どもではなかった。単なるゲーム好きだった。しかも、このソフトを買ってすらいない。ソフトもマウスも友達から借りて遊んでいた。
そんな宝の持ち腐れゲームなのに、なぜマリオペイントは自分の思い出に残っているのか? お絵かきをしないなら、どうやって自分はマリオペイントを遊んでいたのか?
その答えが、このソフトに搭載されたおまけのミニゲーム、「ハエたたき」にある。
このハエたたき、お絵かきともマリオとも何の関係もない。マウスに慣れてもらうために用意されたミニゲームだ。とはいえ、シンプルながら完成度の高いミニゲームで、変な中毒性があった。自分にとってはマリオペイント=ハエたたきである。パソコンでマインスイーパばかりやっている、みたいなものかもしれない。
プレイヤーはハエたたきを持った手を操作して、画面に現れるハエたちを叩き落としていく。なぜか爆弾が現れたり、ハエが攻撃してきたりもする。シューティングゲームみたいな感触だ。ステージの最後にはボスが待ち構えている。ロボットなのか生物なのかよくわからない、メカメカしい風貌の巨大ハエである。どこかとぼけていてユーモラスなデザインで、気持ち悪くなりすぎない絶妙な案配である。
このゲームのなにが気持ちいいかといえば音である。ハエを叩き落としたときの「ぺしっ」「ぺしっ」という効果音、ワンアップアイテムを獲得したときの「ぴぽーん」という効果音、ダメージを食らったときの「あーっ!」という叫び声(手が叫ぶ!)、シュールな雰囲気を醸し出すやたらとリズミカルなBGM。音がいいゲームは素晴らしいゲームだ。音そのものが遊びの報酬であり、喜びである。思い出に残るゲームには、必ず思い出に残る音がある。
本編そっちのけでおまけの方にハマる、という経験は、だれしもあるのではないだろうか。自分にとっては、マリオペイントがそのいい例である。おまけという存在自体が、遊びという実り豊かな余剰なのだと思う。
らしい、というのは、自分はほとんどお絵かき機能を使わなかったからだ。せいぜいマリオのイラストに色を塗ってみたくらいだ。だからその利便性や革新性についてどうこう言える資格はない。このソフトのポテンシャルをほとんど生かしきれていない。豚に真珠、子どもにマリオペイント。もちろん、創造性のある子どもなら、マリオペイントを上手く活用してものづくりに励んだことだろう。自分は創造性のある子どもではなかった。単なるゲーム好きだった。しかも、このソフトを買ってすらいない。ソフトもマウスも友達から借りて遊んでいた。
そんな宝の持ち腐れゲームなのに、なぜマリオペイントは自分の思い出に残っているのか? お絵かきをしないなら、どうやって自分はマリオペイントを遊んでいたのか?
その答えが、このソフトに搭載されたおまけのミニゲーム、「ハエたたき」にある。
このハエたたき、お絵かきともマリオとも何の関係もない。マウスに慣れてもらうために用意されたミニゲームだ。とはいえ、シンプルながら完成度の高いミニゲームで、変な中毒性があった。自分にとってはマリオペイント=ハエたたきである。パソコンでマインスイーパばかりやっている、みたいなものかもしれない。
プレイヤーはハエたたきを持った手を操作して、画面に現れるハエたちを叩き落としていく。なぜか爆弾が現れたり、ハエが攻撃してきたりもする。シューティングゲームみたいな感触だ。ステージの最後にはボスが待ち構えている。ロボットなのか生物なのかよくわからない、メカメカしい風貌の巨大ハエである。どこかとぼけていてユーモラスなデザインで、気持ち悪くなりすぎない絶妙な案配である。
このゲームのなにが気持ちいいかといえば音である。ハエを叩き落としたときの「ぺしっ」「ぺしっ」という効果音、ワンアップアイテムを獲得したときの「ぴぽーん」という効果音、ダメージを食らったときの「あーっ!」という叫び声(手が叫ぶ!)、シュールな雰囲気を醸し出すやたらとリズミカルなBGM。音がいいゲームは素晴らしいゲームだ。音そのものが遊びの報酬であり、喜びである。思い出に残るゲームには、必ず思い出に残る音がある。
本編そっちのけでおまけの方にハマる、という経験は、だれしもあるのではないだろうか。自分にとっては、マリオペイントがそのいい例である。おまけという存在自体が、遊びという実り豊かな余剰なのだと思う。