(二)-10

文字数 212文字

「あれ、ひょっとして神先生かい。俺、また間違えちゃったのか。こりゃあ失敬失敬」
「びっくりさせないでくれないかね」
「なにかあったんですか」
「今、茶川賞の受賞の電話を待っていたところだったのだよ」
「ええ! 受賞したのですか。それはおめでとうございます」
「いや、まだ電話を待っているところで……」
「そういうことなら、招来軒のオヤジさんにも伝えなきゃ、それじゃ」
 その直後、電話が切れた。そのため、神は受話器を電話に置いた。

(続く)
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