(二)-16

文字数 283文字

 「今度はどなたかしら」と立ち上がって、幸恵は部屋を出た。そして「はーい」と玄関に向かって返事をした。
「こんにちはー! 神さん、受賞おめでとう!」
 玄関の方から男性の声が聞こえた。
 「誰だ?」「さあ」と言い合う兄妹とは違い、神は「だから、まだ早いって」と反応した。
 そして幸恵がその声の主とともに部屋に入ってきた。
「源さんが見えましたよ」
 幸恵が言い終わる前に、源さんは満面の笑顔と大声で「神和泉先生、茶川竜太郎賞受賞おめでとう!」と神にお祝いを言った。
「この方が源さん? 初めて見た。子どもの頃から時々間違い電話かけてくる人でしょ」
「そうそう。俺も初めて」

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み