第12話:競馬とアフリカのテロ

文字数 1,764文字

 再び、普通の生活に戻り、幸手の父の小さな不動産屋で、仕事を続けた。12月なると年の瀬の締めくくりに競馬に行こうと幸手が、奥さんを誘った。その後、12月16日のG1レース朝日杯フューチュリティステークスを見に中山競馬場へ出かけた。家で、昼食と食べて、13時半に家を出て14時過ぎに、中山競馬場に入り幸手福三が、競馬新聞を買った。

 その後、いつもの様にパドックでの出走馬の動きを見始めた。そして気合い、歩き方などを見て、馬のコンディションを推察した。その結果、祥子さんが、ロゴタイプと言う名の馬の調子が良いと告げ、単勝人気を見ると7番人気で、高配当が見込めると、単勝10枚ずつ、購入しに馬券売り場へ急いだ。その後、レースの見やすい場所へ行き、少ししてレースが始まった。

 レースが始まると、先頭は、密集していた。千メートル通過57秒3というハイペースの中、ポジションの上げ下げが激しくなった先行集団で、流れに乗り、懸命に力をため込む。その後、直線、一気に抜け出したのはロゴタイプ。直後からコディーノが並びかけ、残り150メートルは、完全に2頭のマッチレース。結局、コディーノの追走をロゴタイプが、何とか、リードを守り切って、クビ差先んじてのゴールを果たした。

 勝ちタイムは2歳コースレコードタイの1分33秒4と高速レースであった。最後のロゴタイプの逃げと、コディーノの追い込みは、見応えがあったが、ロゴタイプが、逃げ切り辛勝。単勝7番人気のロゴタイプの払戻金が、3450円と表示され、34500円ずつもらいに行って、さっさと中山競馬場を後にして、秋葉原のマンションへ。帰り道、好きな刺身とビールとつまみを買って、自宅で、新婚の2人が、祝杯をあげた。

 やっぱり、競馬は、熱くなれて気分転換には最高ねと、祥子さんは、満面の笑顔だった。美味しい刺身と枝豆、鶏の唐揚げ、コロッケ、その後、ゆっくりして、競馬談義に花が咲き、風呂には行って、23時には、眠りについた。こうして、2012年が終わり、2013年を迎えた。正月のおとそ気分もアフリカ、アルジェリアのテロ事件の報道で、吹っ飛んだ。

 1月16日、アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設をイスラム武装勢力が襲撃、日本人を含む多数が人質にされた。アルジェリア軍が17日、施設内に突入、武装ヘリコプターも投入して犯行グループの32人を殺害した。しかし人質も巻き添えになり外国人39人が死亡。日本人の犠牲者はプラント建設大手「日揮」の10人で、国籍別では最も多い。

 事件は北アフリカの国際テロ組織、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ「AQIM」から離脱したベルモフタール司令官率いる過激派「覆面旅団」が実行した。背景にはアルジェリア政府と過激派の長年の対立に加え、この地域で誘拐がテロ組織の普通のビジネスになっている大きな問題もあった。今年、何気なく、競馬の雑誌を書店で立ち読みしていると東京のど真ん中新宿近くにギャンブルの神様がいると書いてあった。

 場所は、新大久保駅の近くで、名前が、皆中稲荷神社と見ようによっては、無理して読めば、皆中「みなあたる」とも読めるのではないかと、勝手な想像を巡らせた。雑誌には、多くの競馬ファンが当たる競馬を買うため参拝していますと書いてあった。「賭け事の神」と親しまれていて、馬券を当てたいなら是非参拝したいとも書いてあり興奮した。

 皆中稲荷神社では、特に的中御守りや開運的中の絵馬が注目され、皆中稲荷神社でこれらを入手して、自信を持って馬券を買ってみましょうとまで、書いてあった。 その話を奥さんに話すと、是非、行きましょうと言われ、1月3日に行くと想像通り多くの参拝客が来ていた。そこで、皆中「みなあたる」神様に、今年も競馬と株投資で、勝てますようにと、幸手夫妻が、しっかりとお参りしてきた。

 その後、的中御守りや開運的中の絵馬を買ってきて自宅に飾ることにした。やがて、仕事始めが始まり、競馬に行こうと奥さんが言うので2013年1月12日、中山競馬場の重賞レース、フェアリーステークスに出かけることにした。家を13時過ぎに出て、中山競馬場に14時到着して、カフェで一休みして、競馬新聞を買い、パドックへ行き、出走馬を眺め、奥さんが、チェックした。
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