第4話

文字数 780文字

去年の11月に四十七歳になり、今年卯年生まれの歳男、四十八の歳を迎えんとする。

生きたなぁ、という感じだ。一日一日をそんなに大切にでもなく生き、社会に出てからはそれなりに苛烈な日もあったよな。福祉や医療の助けを得てからは、春の陽のように優しい日々もあったような。

特に、今の妻と出会ってからは。

春の陽のような優しさを他人に求めながら、ぼく自身はイライラカリカリとしている事も多く、人からは嫌われ、自分は胃を痛くし。

そんな中で、心せねばならないと思う事が出来た。それは腹に蓄えた脂肪を落としていくということだ。

腹につく脂肪、それは内臓脂肪である。内臓脂肪は血管障害の最大原因である。腹についた脂肪をそのままにしておくと、寿命も健康寿命もあからさまに短くなるだろう。

そうするとき、考えるのは人生の値打ちって事だ。ぼくの人生にどんな値打ちが今まであったかというと、それは大したことはなかっただろうと思うけれども、食べ過ぎと運動不足を続けて、ただでさえ僅かな人生の可能性を、自ら断ち切るような真似はしたくはないと想うのだ。

人生ってなんだろうか?人生の危機に直面するイベントがあると、逆にそれ以降の人生の価値が上昇するものだという。危機に直面して、人生の価値をあらたに考え直すというのだ。

ぼくも、不摂生から糖尿病になり、なおも不摂生を重ねていたけれど、内臓脂肪がいかに有害かの本を読んで、自分のしていることを考え始めている。

駅でも階段を使わない、自販機でジュースを買う、家で暇だとお菓子を食べる。そこに加えてファーストフードやケーキや食べ放題だ。

糖尿病なのに、だ。

人生というものは、自分のやり方次第で、ある程度満足度が変わってくるものなのだ。そのことが内臓脂肪と健康の関係には、如実にあらわれているように思う。

自分自身に、自分の人生の価値を問いかけながら生きていこうと思う。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み