第4話 発病

文字数 664文字

高校の片思いの傷も癒えぬまま大学生となる。

部活も特に続ける理由もなく、夢もなく何もなく過ごす毎日。
1年の終わりごろ、交通事故に遭遇。
気が付いたら病院だった。
警察曰く、生きているのが不思議な事故だったそうだが、
自分では何も分からない。
ただ、動かない身体、大量の出血。
頭も打っていたようで、激しい頭痛。
元の身体に戻れるのか分からない。
ただただベッドの上でぼーっと過ごす日々。
病院にはもっと重症の人も多いから生きてるだけましか。
と思う時もあれば、普通の生活を送っている人を思うとなんで自分だけ・・・
と思う時も。

3年間・・・手術合計6回
後遺症はあるものの、まぁ普通の生活はできるくらいに回復。

大学は休学していたから、同級生はもうすぐ社会人。
なんとなく社会に取り残された気分。

友達もいない学校。つまらない日々。
そんな日々を送っていたある時、それは突然起こった。

通学中の電車の中、突然息ができない、冷や汗、動悸、
死ぬんじゃないかという恐怖。
毎日、続いた・・・
そのうち学校も行けなくなった。
親からはさぼりたいだけだろ。
と・・・

後遺症なのか、どこか身体の病気なのか、
とにかくいろんな病院で検査を受けた。
結果、異常なし。

最後に行った病院で精神科を受けさせられた。
自律神経失調症。
身体に異常がないとすぐこの病名を付ける。
受け入れられなかった。
処方された薬も飲まなかった。

とはいえ、症状はまったく良くなるわけもなく、
家ではまたさぼっていると・・・
外にも行けない、自分の部屋からも出たくない。
いわゆる引きこもり。誰も理解者がいない。

ただ一人をのぞいて。


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