第3話 高校生活

文字数 622文字

高校生になっても相変わらず変わらなかった。

野球を続けているうちに、肩と肘を壊して投げられない。
プロ野球の夢をあきらめて、何もない生活。
何か部活に入らないといけない高校で、
足は速かったので仕方なく陸上部へ入部。

道具を使わない、ただ走るだけの部活。
つまらない・・・
やる気のない部活であったが、同じ練習場にとてもかわいい女の子がいた。
特に話をすることもなかったが、
かっこいい姿を見せたい、気に入られたい、
その思いでつまらない部活だが一生懸命頑張った。
負けず嫌いな性格もあったが、
頑張った理由は本気で部活をやっている人には申し訳ないが、
ただただ女の子に気に入られたいという不埒な理由。

一駅先の高校に通っているその子に会うために、
毎朝、同じ時間の電車に乗り、帰りも同じ電車になるために待っていることも。
共通の友人に思いを手紙にして渡してもらった。
今でいうストーカーだったのかもしれないが、
そういう形でしか自分の気持ちを伝えられなかった。
共通の友人から気にはなっているらしいと言われた。
嬉しかった。

少し話もできるようになったが、
自分の口からは「好き」「付き合って」という言葉を言うことはできなかった。

後から聞いた話しでは、彼女は僕を好きになってくれていたらしい。
ただ、僕の口から何もなかったので、そんなに好きではなかったんだ。
ということだった。

3年間ずっと思い続けたけど、
それは伝えられない自分自身の問題だった。

また言えなかった。伝えられなかった後悔・・・
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