(四)

文字数 298文字

 父の葬儀が終わった翌日の夜、自宅に地元の警察署から刑事が二人、やってきた。
 警察は父の死を事件性があるものとして捜査をしていた。父は腹を刺されていたのだ。警察が調べるまでもなく殺人事件だということは俺でも判断できた。
 話によると、父はやはり殺害されたという。それまでは俺も知っていた。しかしその先の話には驚かずにはいられなかった。
 容疑者として挙がっているのが、黒川誠という男だという。
 大曽根正司と名乗った署轄のベテランの刑事の口からその名を聞き、それが誰だか一瞬わからなかった。だが、どこかで聞いたことがあるとは思ったが、さらに続ける大曽根刑事の言葉で俺は驚かずにはいられなかった。

(続く)
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