(二)-7

文字数 215文字

 オフィスに着き、デスクの上の写真立てに目をやった。そこには笑顔の瑞穂の姿があった。その顔を見ると、一日頑張ろうという気になってくる。
 そうして気合いを入れたところでデスクの上の電話が鳴った。受話器を取ると、相手は社長を務める父親からだった。成田の工場で火災が発生したとのことだった。
 工場での生産が止まると商品が販売できなくなってしまう。だから営業の仕事は部下に任せ、俺は急いでハイヤーに乗り込み、成田工場へと向かった。

(続く)
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