(四)-4

文字数 286文字

 もしも彼女が犯人の妹で、兄妹でグルであったとしたら……。そんなバカな! 俺はその可能性をなんども頭の中で打ち消そうとした。
 すると、大曽根刑事は一通の手紙を差し出してきた。
 俺は頭の中の考えを一度止めて、渡された手紙を何度が表にしたり裏にしたりして見てみた。封がしてあったが、切られて中を開けた形跡があった。
 俺は「これは?」と白髪交じりの警部補に尋ねた。
「容疑者の妹の部屋へ家宅捜索に入った際、見つけました。部屋のテーブルの上にぽつんと置かれていましてね。宛名があなたのものでしたので、お持ちしました。中身は捜査の都合で拝見してコピーを取らせて頂いていますが」

(続く)
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