シーン-0004:サイボーグキッド
文字数 656文字
サイボーグキッドは港の施設を粗方破壊して、ガルザックのコクピットハッチを開け、上陸しようとしていた。
自分で破壊し尽くした港の光景を見てサイボーグキッドは言った。
宇宙港はもう原型を留めていなかった。
所々、まだ火花が上がってとても人が行動できる場所ではなくなっていた。
しかし、そんな場所を物ともせずにサイボーグキッドはガルザックから降りてブルーロックの内部にさらに侵入しようとしていた。
---サイボーグキッド---
サイボーグキッドはその名の通り"サイボーグ"である。
人の姿をしているのだが右腕にはレーザー銃を備え、頭部には脳がガラス越しに透けて見えていた。
サイボーグキッドは脳以外はすべて機械である。
この時代の科学が生み出した最高傑作であり"悪魔"なのである。
この時代には人体への機械移植は完成されていた。
本当は手足を失った義手義足の人や身体に病気や障害を持つ人々のためにできた画期的な医療技術であったが、慢性的な臓器不足という時代背景が金欲しさのために身体の一部を売買する少年少女が増えたり、犯罪者の中には身体に強力な武器を備えるものまで現れた。
これにより犯罪は日増しにより知的で凶悪なものになっていった。
そういう意味ではサイボーグキッドの存在はこの時代の"光と闇"の象徴でもあった。
サイボーグキッドは次々と警備兵を右腕のレーザー銃で片付け、内部に侵入していく。
サイボーグキッドはそう言うと真っ直ぐ研究施設に向かっていた。