シーン-0009:煙の先に…

文字数 602文字

わ、わかった…見せる…
そう言うとジョーンズはケースを開けようと装い屈み込んだ時に腰の拳銃にそろりと手を伸ばした。

バシュッ!!…

短く鈍い発砲音が響く。
バカな真似は止しなさい!!
サニーもエリート集団であるフィールドのメンバーである。
そんなに甘くはない。
ジョーンズの行動を見てサニーは透かさず発砲し、弾丸はジョーンズの手前1メートル位で発光した。
チッ…
ジョーンズは娘に銃を向けようとした"自分"に嫌悪しながらも、試みが失敗したことを舌打ちした。
しかし、ジョーンズの心とは裏腹に、サニーは躊躇いもなく父へと銃口を向けていた。

サニーはゆっくりと二人に歩み寄っていく。

ジョーンズは観念しながらも、自分の甘さを痛感していた。

その時であった。

ドガァァァッ、バッァァ!!!!

突如、三人を激震と爆風が襲った。
三人の身体は、一瞬、宙に浮かび壁にたたきつけられた。

……
ゴホッ、ゴホッ…
ジョーンズは咽ながら、瓦礫の山となった周囲を見渡した。
何が起きたのかわからない…周囲は破壊され、立ち込めた煙で視界が奪われた。
…痴話喧嘩は済みましたかな…ジョーンズ博士…
煙の中に人影が映った。
煙が晴れてきて、徐々に姿が露わになった時、ジョーンズは、今、このブルーロックで何が起きているかを把握した。
!!!……おまえだったのか?!…
久しぶりですなぁ…ジョーンズ博士…
…適合していたとはな…
そこには不敵な笑みを浮かべるサイボーグキッドが立っていた。
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登場人物紹介

●サイボーグキッド…現代の技術の粋を結集して生まれたサイボーグ。脳以外はすべて機械。右腕はレーザー銃になっている。

●ビル・ニートン…機動警察の隊員。射撃の名手。過去の記憶…謎の頬の傷。

●アドニス・ウォン…機動警察の隊員。ビルの相棒。優れたウォーカー操縦技術を持っている。

●サニー・ジョーンズ…連邦特別警察『フィールド』の捜査官。

●ジョーンズ博士…サニーの父。人工知能開発の権威。

●パールソン…ジョーンズ博士の助手。

●ガルザック…サイボーグキッドが搭乗する圧倒的な力を持つ謎多きウォーカー。

●バザンA-3…資源衛星『ブルーロック』の防衛隊が多数所有するウォーカー(機動歩兵)。

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