シーン-0009:煙の先に…
文字数 602文字
そう言うとジョーンズはケースを開けようと装い屈み込んだ時に腰の拳銃にそろりと手を伸ばした。
バシュッ!!…
短く鈍い発砲音が響く。
サニーもエリート集団であるフィールドのメンバーである。
そんなに甘くはない。
ジョーンズの行動を見てサニーは透かさず発砲し、弾丸はジョーンズの手前1メートル位で発光した。
ジョーンズは娘に銃を向けようとした"自分"に嫌悪しながらも、試みが失敗したことを舌打ちした。
しかし、ジョーンズの心とは裏腹に、サニーは躊躇いもなく父へと銃口を向けていた。
サニーはゆっくりと二人に歩み寄っていく。
ジョーンズは観念しながらも、自分の甘さを痛感していた。
その時であった。
ドガァァァッ、バッァァ!!!!
突如、三人を激震と爆風が襲った。
三人の身体は、一瞬、宙に浮かび壁にたたきつけられた。
……
ジョーンズは咽ながら、瓦礫の山となった周囲を見渡した。
何が起きたのかわからない…周囲は破壊され、立ち込めた煙で視界が奪われた。
…痴話喧嘩は済みましたかな…ジョーンズ博士…
煙の中に人影が映った。
煙が晴れてきて、徐々に姿が露わになった時、ジョーンズは、今、このブルーロックで何が起きているかを把握した。
そこには不敵な笑みを浮かべるサイボーグキッドが立っていた。