淡彩

文字数 1,207文字

人間が欲情を持つのと、同格に感情を持つことへ恐た私達。人間の真似をした機械人形は、人の命とは変え難い。使用上のruleとして、総てにおいて、真似事が出来るとUNKNOWN.都合が良いほどに、姿を晦ます設計者が、答えだけをwebsiteに載せた。
「戦争だって出来る。」
Versatile robot that can even go to war.
世界共通の言語で書かれただけの言葉に当時は皆、疑心暗鬼だった。添えられる様な日本語の意味を、考えようとした。日本人が設計者なのか、それとも、演じているのか。発表されてから、初めに起きたことといえば、設計図の開発者を探す事に焦点が置かれた。行方不明なだけだった。その次に起きた事は、ロボットを作って大量に生産して人間の代わりにすることだった。どちらかと言えば、二番目の方が重要とされたし、その頃には、世間の人々は、行方不明者を探す気さえも、持ちやしなかった。何が起きたかを説明するなら、人間の代わりになるから、なんだって本当に出来たのだ。“自分が人形の代わりになる以外は“愛が欲しい人には愛する人を恋人に、コンビニの店員が欲しいのなら、その店の店長が、人間よりも優秀なロボットをプログラミングをした。そうだ。ウェブサイトに載ったルールには、誰でも、簡単にプログラミングが出来ると、説明が書いてあった。でも重要なのは、戦争だって出来ると書かれた挑発上だった。
実践的に使用した国も多かった。その度に巨大な利益を生産した国もあった。ビジネスが戦争になる。昔で言うなら、匿名で、善意的に、インプレッションを稼いで生きる人達のように。でもそんな画面上に択録されたことよりも、大袈裟に世間は変わって行った。世界に一人は持つタブレット型の端末より、小さな携帯電話より、皆これを持ちたがったのだ。負の遺産となって、パソコンも、スマートフォンも、無くなってしまった。
でもルールに書かれたことはもう一つとして私たちに残った。
「人間を代用品にしてはならない。」
Do not use humans as a substitute.
自分の代わりに会社に出て、働いて貰うことも出来ないから、ロボットの変わりになった仕事と産業は全て、ロボットに変わったし、勿論、クビになった人間達は、生きるためにお金を稼ぐ術を、見つけなければならなかった。その時には、大半の人間が路頭に迷った。上流階級の人間だけが、ロボットを持てるようになって、下流の人達には、何も回らなくなった。仕事もお金すらも、行き先を失った者たちは、死にながら生きて、死ぬ事も出来ずに、生まれて死んでを繰り返す。そうやって出来たスラムみたいな街に、統括するロボットも現れた。人間と人形の差を、設計図として上げた設計者は、何がしたかったのかを、知らぬままで。人間の代わりにはなれない。人形の代わりにもなれない。線引きされた人達。その行方の序章。
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