文字数 2,702文字

狭間
I reach for a beautiful flower and find out it is the wrong color.
I try to find your missing place,
I realize it's a lie.
In the end, you become a blue flower and are killed.
What do you ask in such a world?
RUI&Sanada

美しい花に手を伸ばしたら、色が違うことに気づく。
私はあなたの消えた場所を探そうとする、
嘘だと気づく。
結局、青い花になって、殺される。
そんな世の中で何を求めるのか。
ルイとサナダ

「千鶴は、死にたいって思ったことはあるかな。どんなに想っていても、誰かの心を奪えないのと同じで、どんなに悲しくても完璧には相手には伝わらない事を幾度と無く知ったんだ。だから私は……。」
“死のうと思ったんだ“
「誤解や勘違い。一度は閉ざしてしまった人生が二度目になって開くのがどれほど怖いのかを、知っている?時間って戻らない。
“だから、死にたくなってしまったんだ。“
もし ドアノブがあれば? 吊るすほどに高くて頑丈な天井があれば?青い家にそれは無い。海とか飛び降りるしかならないんだけど、どうしても怖くなって。」
“薬は死を調整が出来ない。
コントロールされている“幾ら、致死量だと言っても、絶対に死ねなくて、絶望的な罪と罰に出会ったのだと思うの。だから貴方の居なくなった世界の中で、死を探そうとしたの。見当たらなくて、手を伸ばそうとしたけれど、なにも掴めない。その苦しさを、貴方が知るとは思えない。
その痛みを、貴方に理解が出来るとも思えない。
不自由に生きること。
完全に理解したら私はこの世界から消えられることを“その時“は知っていたのかなって、自分を疑ってる。
「千鶴は、死にたいと思ったことはある?」


はぁ、はぁ。
目を覚ます。
午前の四時だった。
ぼくは、大丈夫な様だ。

屈曲な夢をみたのだろう。
自分の信じてることが折れ曲がって
“世間的に不自由なあの子“からと
都合の良い嘘を履いて自分を保つ。
視線を伏せた事実を封の切られていない
手紙で思い出したからだろうか。

なんと応えれば、良かったのだろう。
あの子は…唯は確かに記憶の中で死のうとした。
青い家の中で。
唯は、絶望を全て知っている顔をして
“僕の目の前で“
ドロドロになった毒を、飲む。
何を飲んでいるのと問いただしても
なにも答えなかった。
視線を逸らして倒れるように眠る。

ねぇ
青をつぼむのならば
貴方は…白じゃなかったの。
どうして、
青を望んでいるの?

彼女だけ
時が止まって
彼女だけが
童話の少女なら
どうして、
毒を飲んでしまうの。

例えば望む人が現れても
目が覚める事が
三度目は無いと知ってるのに
同じ色をしてるなら、
「呼んで、選んで、掴んで。」

唯はただの僕の記憶の欠片を結んでくれる。
訴えて伝えようとしたのだろうか。


「あなた自身ならば、罪を背負った方が良いのだろうか。昏れる事の意味を、知らないんだよね?」

もしそれを知っていたら
此処から逃げることをしなかった。

あなたが僕の名前を呼んでくれている。
思ってはならない心地良さを感じた。


ぼくはずっと、枯渇した森の中で
彷徨って歩くことの意味を、知った。

唯の視界は、
ずっと 森を歩くように 果てがかなったのだと
今更 知るのが
億劫で馬鹿らしい。

灰色の少女は

ずっと灰色だったのだと

知ったつもりだった。


死なんて間近にあるものだ
死なんて目には見えないだけで、
ずっと側にある
どんなに見ない様にしていても、
手を取れないだけ
手を取り合う事ができないように
再び、目を開ければ?
手招いて 誰かを 呼ぶ様に
いつでもどこでも
そこら辺に転がっている。

それなのに、
「あなたは目を閉ざしてる。」
私を信じる?
誰かを信じる?

答えは 
もう、
見つかったというのに。

05 誰かの死に花を添えて。

訴えかけるのは、一番に悪かった。
巨大な世界で
くだらない善意を発したり?
誰かの紛い物の真実を遜る。

予知夢のように、視える未来と世界に
僕はどうしようもなく
花を添えて、



どんなに失礼だとしても
僕は“あの子“の将来を読んでしまった。

自分の身に降りかかる危険性や
将来層に対して、
不安を抱いてしまった。
微睡んで、誰かを殺す事に繋がっても
僕はこの世の果てに其れを置いていけるほどに
どうでもいい振りをして
知らないように努めるのだろう。
“自分だけを守る為に“
或いは
“大切なものだけを守る為に“
それはどれほどに彼女を殺したのかも
無視をした。

“I'll quit picking up blue,
Don't say anything else,
Instead, dye him a flower.
I only wanted to protect you.

I ignored that voice.

The death of someone out of context.
Took her.

青を拾うのは辞めよう

もう何も言わないでください

その代わり、花を染めてあげてください。
私はあなたを守りたかっただけなんです。

その声を無視した。

脈絡のない人の死が彼女を連れて行った“

文脈違いの文章に
メールを送った日があった。
青色のよく似合う人だと言っていた。
その言葉の
差出人を確かめる為に。

あなたは誰なんですか?


“あの子の側で暮らしています“

あの子の側ね。

どういったご関係なんですか?
と送ろうとして、
辞めた。

どんな関係でも、僕にはもう関係が無かった。
都合の良いだけで
何もできないのだから。

“僕は古い知人です“
“どうか…彼女を守ってあげて下さい“


と送信した。 

二度目の十分後くらいに 返信が来た。

「無責任ですね。彼女はあれほどに貴方に迷惑をかけることを、嫌がって、躊躇って、貴方を見送る決断をしたのに。」

はっと、沈黙をした。

その間に立て続けにメールは来る。
「なんでしょうか。青色のよく似合う人だって、健気に貴方へ伝えたから、あの子を捨てる自覚までが美しくなるとでも
思ったのでしょうか?
もしかして、貴方はあの子の心が離れていったことすらも、酔いしれてるんでしょうか。あの子は送り側でも最後までと言っても過言じゃないほどにずっと貴方を大切にしてた。それすら目に伏せるのなら、もう彼女を忘れて下さい。」


時が止まるほどにゆっくりと時間は過ぎる。
ハッとしたまま。
僕は怖くなって
画面を見れなかった。

“あの子は私のそばにいます“
“あの子のそばにわたしが付いています。
“あの子はまだ生きています“

何も送れなかった。

僕はまた目を伏せて
その場を逃げた。
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