文字数 276文字

オートクチュールの月に、人の姿をポートレートする。幾時と拙い声を月の燈に変える。ピカロの悪人と名を伏せて、皆が寝てる間に、逃亡だ。浮つく心、とめどなく。夜を討ち、朝に駈けるのだ。何度でも邪魔が入るけれど、必要なのは、その邪魔にどう抗うかを考えることだけど、人間は脆い。目の前で、感ずることを信じるしかない。
左右対称な花や、美しい人、目の前に置かれた食事、どれもがあなたに取って美しければ、勘は当たると、憶える。覚えるのに、消えてしまうものに、結局縋る。祈りの形をした薄っぺらい人形や、人間の災いをした神様。どれも必要ないと、受け止める時に、朝は訪れた。
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